2019 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02576
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
井上 崇通 明治大学, 商学部, 専任教授 (70281566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 一夫 明治大学, 商学部, 専任教授 (00341280)
村松 潤一 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (30182132)
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
田口 尚史 茨城キリスト教大学, 経営学部, 教授 (60530045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エンゲージメント / 価値共創 / サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はエンゲージメント研究の発展について検討をした。まずはエンゲージメント研究の多様性についてまとめた。企業消費者間取引(BtoC)と企業間取引(BtoB)において異なる取引形態が見られることから、マーケティングやサービスという観点からのエンゲージメントにおいて取引や市場での相違について分析を行った。 これらの分析の中で、井上(2019a)においてはエンゲージメント研究の全体的観点の中から価値共創と顧客エンゲージメントの関係について考察をした。その上で、エンゲージメントの方向性が2つに整理できる。一つはリレーションシップといった既存の企業と顧客との関係からエンゲージメントを考える視点であり、もう一つはサービスの視点からエンゲージメントを検討する点である。特にマーケティングにおいては、企業と顧客との関係が希薄になりやすいため、顧客からの企業に対するエンゲージメントを強化することの重要性がリレーションシップの延長から分析することになる一方で、市場の広がりについては、あまり期待できなくなる。 そして、本研究では、市場とエンゲージメントに関連するサービスの観点から分析を行っている。ここではサービス・ドミナント・ロジックにおける市場形成や制度という枠組みによって、サービスと市場の関係が検討されており、ここではサービス交換を容易にする制度の枠組みからエンゲージメントを検討した。エンゲージメントをどのように把握するのかという問題点の中で、制度によるサービス交換の促進というアプローチによって検討される必要性があることを考察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析枠組みを既存のアプローチをもとに、制度の枠組みを取り入れることによってエンゲージメントへのアプローチが明確になったことにより、実際の取組を分析可能となってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
顧客エンゲージメントに関するモデル構築を進めることになる。欧米の研究では複数の事例からモデルを構築する研究が多く、より包括的なモデルを視野に入れた研究を進めることになる。また消費者側の視点からサービスの交換を容易にする制度に関して検討し、より発展的な研究を行う。特に自宅での消費行動が増えている現象が見られるので、既存のリレーションシップがどのように機能し、それがエンゲージメントと関わるのかについて調査を行う。 本年度の研究報告は予定しているものを中心に取り組むと共に、オンラインでの報告会も検討する。
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Research Products
(23 results)