2017 Fiscal Year Annual Research Report
Towards New Theories of Media and Culture in the Post-Media Era: A Comparative Study of Creative Industries in the UK and Japan
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17H02587
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
毛利 嘉孝 東京藝術大学, 大学院国際芸術創造研究科, 教授 (70304821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 知子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00334847)
大山 真司 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (00778946)
水嶋 一憲 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (20319578)
伊藤 守 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30232474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポストメディア / 創造産業 / デジタルメディア / コミュニケーション / ネットワーク / 情動 / メディア / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)これまでの議論の整理:文献をもとに現在のメディア文化研究の理論を整理しつつ、特に創造産業をめぐる議論を検証した。 (2)2017年6月及び2018年3月にロンドン大学ゴールドスミスカレッジとともに、イギリスの創造産業に関する調査を行った。またイギリスの研究者とともに日本の調査を7月に行った。 (3)研究インフラの整備:研究と情報収集のための国内外のネットワークを整備する。そのために科研参加メンバーを中心にポストメディア研究会(Post-Media Research Network)を立ち上げ(現在会員28名)、定期的な研究会と2度の国際シンポジウムを開催した。また研究会に合わせてHPを作成し、情報の集約と発信を行った(http://postmedia-research.net/) (4)研究会では、科研参加メンバーによる研究の進捗状況の報告のほか、ニック・プライアー(エジンバラ大学)の、北野圭介(立命館大学) マウリッツィオ・ラッツァラート(社会学者 Multitude編集委員)などを招き、研究発表をしてもらうとともに意見交換を行った。国際シンポジウムは、2017年7月15日に、イギリスからマシュー・フラー(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)、オルガ・ゴリウノヴァ(ロンドン大学ロイヤルハラウェイ)を招き、研究会メンバーとともに「ポストメディア時代の芸術と文化」と題したシンポジウムを行った。また2018年1月27-28日にはスコット・ラッシュ(オックスフォード大学)、アンソニー・ファン(香港中文大学)、アレクサンダー・ザルテン(ハーバード大学)などを招き、公募型の国際シンポジウム「アジアにおけるポストメディア研究に向けて」を開催し、国内外の30名の研究者が発表を行った(研究会とともに詳細は上記HP参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的としては研究遂行のためのネットワークの形成と、情報の集約と発信の仕組み作りだったが、この点については研究会とHPの立ち上げ、そして二度の大きな国際シンポジウムを開催することができ、それにともなって十分なネットワークが形成されたので、予定以上に進んでいると評価できるだろう。 創造産業の聞き取り調査やフィールドワークも、イギリスと日本国内でそれぞれ二度まとまって行うことができたので、こちらも順調に進んでいると考えられる。文献調査も、特に電子出版の形式で発表されることの多いこの領域の研究状況は十分に把握し、また国際学会にも積極的に参加、発表と意見交換を行っており、初年度としては十分な取り組みができていると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進は、初年度に形成された国内外の研究ネットワークを基盤に引き続き、定期的な研究会と国際シンポジウムを軸にしながら、基本的な文献調査と聞き取りを中心とした質的社会調査を続ける。 特に初年度の経験からアジア地域、特に中国語圏を中心にテクノロジーや産業の発展、それにともなった理論的発展が目覚ましいので、2年度以降は欧米だけではなく、アジア圏のメディア理論にも気配りをしながら、調査と理論構築をする必要があると考えている。 また、二年度以降は初年度の調査結果を途中報告というかたちで、国際学会や学会誌等で発表することを通じて、理論の精緻化を図るとともに研究成果の発信に努めていきたい。
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