2020 Fiscal Year Annual Research Report
復興の新たな段階におけるコミュニティ・キャピタルの活用と保全に関する比較研究
Project/Area Number |
17H02594
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
吉野 英岐 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90305318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 竜輔 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (30512157)
内田 龍史 関西大学, 社会学部, 教授 (60515394)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 災害公営住宅 / コミュニティ形成 / 復興感 / 東日本大震災 / 量的調査 / 震災復興 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に実施した岩手県、宮城県、福島県の被災3県の災害公営住宅入居者(6454世帯の世帯主)を対象とする大規模質問紙調査(回収数は2,369、有効回収率36.7%)の結果の分析と学会報告、そして研究成果の取りまとめを行った。その過程で、昨年度に引き続き福島大学の西田奈保子准教授の協力をいただいた。 調査結果の分析を進めた結果、災害公営住宅入居者の共通の課題として、コミュニティ・キャピタルといえる災害公営住宅の入居者間や、住宅の立地地域の住民とのコミュニティの形成が十分に図られていない点が明らかになった。また全国でおよそ3万戸分が建設された公営住宅自体は良質な生活基盤であり自治体や地域住民のストックになっているが、空き家の増加や家賃の上昇といった行政上または生活上の課題が顕在化してきており、住宅の維持や運営についての課題も明らかになった。 調査結果を地域別にみると入居者の復興感や生活満足感、継続的な居住意向などの面で差が見られた。特に福島県の調査対象住宅である原発事故避難者が入居している災害公営住宅では、復興感と継続的な居住意向が他の地域に比べて低く、原発事故避難者の生活復興はまだ十分に達成されていないことを示すことができた。 これらの研究成果については、地域社会学会第45回大会(2020年8月22日・オンライン)、第92回日本社会学会大会(2020年10月31日・オンライン)で報告を行った。さらに、広く研究成果を公開することを目的に、書籍として刊行することを企画し、令和3年3月に東信堂より吉野英岐編『災害公営住宅の社会学』を出版した。その一部を被災者や自治体への研究結果の提供と復興の実現のための情報提供、研究者や関係者への復興研究や活動の促進に役立てていただくことを目的に提供した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(15 results)