2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding NEETS from Sociological Perspective. Individual and institutional determinants of youth inactivity in France, Germany, Japan, the Netherlands, and the UK
Project/Area Number |
17H02601
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
尾嶋 史章 同志社大学, 社会学部, 教授 (30177224)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 智彦 下関市立大学, 経済学部, 特任教員 (00547903)
多喜 弘文 法政大学, 社会学部, 准教授 (20634033)
小林 大祐 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40374871)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | NEET / 国際比較 / 無業 / 比較社会学 / 社会階層 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は2017年度から継続しているヨーロッパ4カ国とのNEETに関する国際比較研究と、新たにスタートさせた無業に注目した国内研究を実施した。 1.NEETに関する国際比較研究 前年度のワークショップの成果を踏まえ、5月に日独英仏蘭の5カ国が京都に集まり、研究集会を開催して、出版計画など今後の対応を検討した。10月にフランスDijonで通算5回目の研究会を開き、そこでの議論でさらなる検討が必要な点が明らかになったため、2017年度に続き再度書籍出版に向けての集中的な作業ならびに議論を少人数で行うことになった。これを受けて、2019年2月にマーストリヒトにおいて2回目のワークショップを開催した。ここでは各国NEETの履歴類型やその規定要因に関する分析結果の共有、国別の章に入れるべき分析内容、具体的な構成について議論し、共有を図った。最初の中等教育段階を出た後10年間に注目すると、日本では「高学歴NEET型」「後半NEET型」「長期間NEET型」「中等教育・短期間NEET型」「短期高等教育・短期間NEET型」の5類型が抽出され、若いコーホートになるほどNEET経験率が増加する傾向にあることが明らかになっている。 2.無業に関する社会学的アプローチ 本年度から無業に関する社会学研究を本格的に開始した。各メンバーから研究テーマを募った上で、研究会を2019年3月に実施し、各テーマに関する予備分析結果を報告し、意見交換等を行った。ここでの8報告は、①若年無業とその周辺(就業不安定層、浪人の「経済的価値」、求職活動の変動)、②既婚女性の働き方の影響(就業選択と学歴、就業率の増加と経済的不平等)、③高齢者の就業と無業(若中年期キャリアと高齢期、高齢期無業と家族)に分類されるが、今後若干の修正を行いさらに分析を進めていくこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際比較についてはほぼ分析を終え、5カ国の研究結果をまとめた書籍の準備は順調に進んでいる。また国際比較に加えて開始した国内データ分析を中心とした無業とその周辺に関する社会学研究も、一定の方向性が見えてきたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
若年層(NEET)に関する国際比較に関しては、10月にマーストリヒトで開かれるYouth in Transition 2019において、5カ国が参加して最終的な研究報告を行うことになっている。また併せて英語による出版を共同で進めているが、最終的なまとめに向けての作業を継続する。今年度は中高年男女の無業問題も含めた研究を、昨年度立ち上げた「国内研究」班で進めるために研究会を複数回開催し、年度内にその成果をまとめる予定である。
|