2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Poverty Studies in Japan
Project/Area Number |
17H02606
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
阿部 彩 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (60415817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
可知 悠子 日本医科大学, 医学部, 助教 (10579337)
安藤 藍 首都大学東京, 人文科学研究科, 助教 (20750441)
末冨 芳 日本大学, 文理学部, 教授 (40363296)
小田川 華子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員教授 (60424991)
村山 伸子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (80219948)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 貧困 / 社会政策 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
【異分野の融合】本研究の一つ目の目的は、異なる学術領域の研究者らの協働による研究の推進である。平成29年度においては、社会福祉学、栄養学、公衆衛生学、社会政策論の研究者らと共同して子どもの貧困と栄養摂取およびそれが子どもの健康に与える影響についての文献レビューおよび分析を行った。この成果は、一つの書籍としてまとめられ、刊行された(阿部彩・村山伸子・可知悠子・鳫咲子編著『子どもの貧困と食格差-お腹いっぱい食べさせたい-』大月書店、2018年4月刊行)。また、ジェンダー学と貧困学の接点として、論文を執筆した(阿部彩「「女性の貧困と子どもの貧困」再考」松本伊智朗編『「子どもの貧困」を問い直す:家族・ジェンダーの視点から』法律文化社、p.57-76. 2017年10月刊行)。
【子どもの貧困に関するナショナル・データベースの構築】本研究の二つ目の目的は、さまざまな自治体およびけんきゅ者らが実施している子どもの生活実態調査を統合し、統一したデータベースを構築することである。平成29年度は、各自治体への接触およびデータ利用の交渉を行った。また、各自治体の調査に関わった研究者らを一堂に集め、各データベースの統合の可能性について意見交換を行った。
【貧困の理解と政策立案のための研修プログラムの開発】実際の現場にて役立つプログラムを開発するために、東京近郊のA市との協議を開始した。平成30年度から、プログラムの開発を行い、それをA市の行政官の方々に実施してもらいその評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子どもの貧困に関するナショナル・データベースの構築について、データの使用に関しての協定を各自治体と締結しなくてはならず、その交渉が長引き、一部は平成30年度に持ち越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度からは、より広い学術分野の研究者らとの交流を図るため、子どもの貧困に関する研究交流会を定期的に行う。この研究会には、行政の方々もお招きし、研究者コミュニティと行政コミュニティをの接触を図る。 また、データベースの構築については、行政との交渉を終え、実際のデータ統合の可能性についてのテクニカルな検討および先行して協定を結ぶことができる自治体のデータについて統合を始める。そのために、まず、調査項目の全変数の洗い出しを行い、マッチできる変数と各自治体調査のデータにて照合する。その上で、報告書にて公開されている単純集計表の比較を行う。比較可能であると判断されるものについては、共通定義を設定し、それぞれのデータベースを共通定義に修正する。
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Research Products
(9 results)