2017 Fiscal Year Annual Research Report
未就学児を養育する母親が遭遇するネガティブサポート及びそのインパクトに関する研究
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17H02612
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 美也子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80635441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
山崎 由美子 川崎市立看護短期大学, その他部局等, 准教授 (00341983)
吉田 穂波 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20626113) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネガティブサポート / 母親 / 未就学児 / Help-seeking / 受援力 / Sense of coherence / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な子育て支援が展開される中、児童虐待数は増加し続けるなど、課題は未だ山積している状況である。また、これまでの研究結果から、不適切な支援が母親にネガティブなインパクトをもたらす可能性が示唆されてきた。そこで本研究では、子育て過程における不適切な支援(ネガティブサポート)の実態とそれらがもたらすインパクトについて明らかにし、その抑制に向けた実践的な示唆を得ることで、望ましい支援的環境の構築を目指したいと考えた。 平成29年度は、ネガティブサポートに関連する文献のレビューを行った。また、未就学児を養育している母親(20名)への面接調査を実施し、母親が体験したネガティブサポートについて尋ねた。提供した支援をネガティブに捉えられていたのは、「保健師」「保育士」「幼稚園教諭」「栄養士」「医師(産科・小児科・歯科)」「児童館の職員」など、特に子どもが乳幼児期に関わることの多い職種であり、母親が望んでいる支援と提供される支援の間に大きな違いがあること、母親らが意思の疎通の難しさを感じていることなどが明らかになった。 この結果を元に、平成30年度は保健師、保育士などの支援者側の体験したネガティブサポート(自身の行為がネガティブに捉えられてしまった体験)について面接調査で明らかにしてゆくつもりである。 尚、特に適切な配慮・支援が求められる母親に関しては、平成29年度の調査ではリクルートが困難であったため、先行研究を用いて、具体的なネガティブサポートの事例や、望ましいサポートが得られないことによりどのような影響がみられるのか、という点について探索し、その一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の母親を対象とした調査は、当初はリクルートに苦慮したものの、年度内に目標としていた人数のデータを得ることができた。データについては、まだ分析途中ではあるものの、誰の、どのような言動が、母親にどう捉えられているか、という具体例が集積されているため、次の段階(支援者側の調査)に進むのに支障はない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に得た結果を踏まえ、支援者側(保健師・保育士など)を対象とした面接調査を実施する予定である。また、平成29年度の調査結果から、母親の体験したネガティブサポートの実態について、その詳細を発表してゆくつもりである。
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