2018 Fiscal Year Annual Research Report
教員縦断調査による教員の職場適応・職能形成の構造分析と実践的示唆の提示
Project/Area Number |
17H02664
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70436450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀明 佐賀大学, 学校教育学研究科, 教授 (00762220)
町支 大祐 立教大学, 経営学部, 助教 (40755279)
橋野 晶寛 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60611184)
梅澤 希恵 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 研究員 (70770890)
榎 景子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (60813300)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 教育学 / 教員の職能形成 / 初任期教員 / 職場適応 / メンタルヘルス / 教員人事 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、2つの地域(合計で2市10町村)の教員を対象とする追跡調査を実施した。このうち1市については、データ蓄積が3年目となったため、異動や職場適応に関するパネルデータ分析が可能な状況となってきた。もう一つの地域(1市10町村)については、平成30年度から新規で調査を開始することとなったが、調査規模が大きく、また対象地域の人口地理的・社会経済的環境にバラエティーがあることから、今後のデータ蓄積と分析のより、新しい知見が導けるものと期待される。 上記データをはじめ、これまでに収集したデータの分析については、研究会を定期的に企画・実施することができた。研究会では、分析結果に関する意見交換が行えたほか、更なる分析の可能性についてもヒントを得ることができた。また、知見のまとまった部分については、成果を学会での口頭発表として公表することができた。 あわせて、調査対象となる自治体関係者等に、分析結果のフィードバックを行った。上記調査対象となった各地域については、市町村教育委員会を対象とするフィードバックを実施した。調査の意義について説明を行い、継続調査に向けた了解を得たほか、より広い対象(校長会・教頭会や、全教職員参加の研修会)での説明機会に結びつけることができた(それぞれ、2019年度の実施について内諾を得ることができた)。フィードバックでは、教育行政関係者との意見交換をすることで、市町村単位の施策が教員の勤務実態や適応等に影響している可能性や、学校教育における地域性についての理解を深めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に記載したとおりの量的調査が継続的に実施できている。本研究の最大の特徴が、継続的・追跡的なデータ収集と、その分析であるため、安定したデータ収集が進められたという点は、まずもって計画を「おおむね順調」と評価する根拠となる。また、これまで蓄積してきたデータについても分析が進んでいる。 教育行政機関を対象とするフィードバックの機会を実際に複数回実施することができた。意見交換を通じて得られた知見を深めることができたほか、学校・教員向けのフィードバックについても実際の目処が立ったた。この点は平成30年度の新たな進捗である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、量的調査を継続し、追跡データを蓄積・更新する。データの蓄積に伴い、分析可能な形へのデータの整備(紐付け作業)の負荷が拡大している点が懸念され、さらなるマンパワーが必要になりつつある。分析結果については、引き続き研究会の実施等によって成果の共有と精緻化を進めるほか、学会発表や論文執筆の形で成果を公表したい。 フィードバックについては、学校向け・教員向けの実施に目処がついたので、研究グループ内で内容等の検討を進めるとともに、実施後の意見交換などを通じて、調査データの活用についての知見を深めたい。
|
Research Products
(16 results)