2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Evaluation of Curriculum for Algebraic Thinking and its Representation in Elementary and Secondary Education
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17H02693
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
藤井 斉亮 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (60199289)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 擬変数 / 初等代数 / 授業研究 / 研究授業 / 問題解決型授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
初等中等教育段階において、文字a,xなどを用いた「文字の式」は一般性を表現できるが、数字を用いた「数字の式」ではそれができない、という思い込みがある。だが、数学史をみると、文字表記が充実する前は、一般性を含意して論を展開する際は「数字の式」を用いていた。本研究では、このような「数字の式」において一般性を含意している数を擬変数(quasi-variable)と命名している。 本研究の目的は擬変数の機能に焦点をあて、新しい教材を開発し、同時に既存教材を擬変数の視点から精査・改良し、代数的思考と表現に関するカリキュラムを構築することである。そのために児童生徒を対象にした実態調査研究を行う計画であったが、コロナ禍でかなわず、代わりに、教師を対象に、オンライン型授業研究において、そこでの研究授業で用いられた授業課題を教師がどうとらえているかを擬変数の視点から考察した。オンラインでの資料収集ではあったが、日本・米国・ラオス国・オーストラリアを対象に調査を実施した。授業課題における擬変数の役割と機能は、数値設定の段階と予想される子どもの反応を検討する段階で顕在化する。日本とオーストラリアの算数研究授業で用いられた授業課題では、擬変数の役割と機能が授業者と学習指導案作成チームにより共有され代替案も提示された。一方、米国では、授業課題の数値の代替案の提案は一部の教師によって可能であったが、ラオス国では、解釈はできても代替案を見出すことはできなかった。このことにより各国の教師の教材研究の質と擬変数への理解の深浅が顕在化し、擬変数の価値を具現化する授業課題の開発は、各国の実態に沿う形でないと実効性がないことが明らかになった。なお、海外研究協力者として、特に米国デポール大学高橋昭彦及びTad Watanabe氏と研究協議する機会をもったが、各国の教師の実態を解明するのに有効であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の成果の一部は、16th International Conference of The Mathematics Education for the Future Project: Building on the Past to Prepare for the Future. King's College, Cambridge University, UKにおいて、発表予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
児童生徒対象の実態調査と授業者と参観者を対象にした研究授業における授業課題について引き続き調査研究し、擬変数の価値を具現化する授業課題を開発する。その際に研究協力者である太田伸也氏、中村光一氏、西村圭一氏、清野辰彦氏、高橋昭彦氏、松田菜穂子氏と研究協議を行う。また、比較文化的視点を考慮して海外研究協力者として、米国デポール大学高橋昭彦氏および豪州デイキン大学グローブ氏と研究協議する機会をもつ。そして擬変数の教授学的可能性について引き続き議論していく。
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