2017 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノ炭素細線間反応による細孔炭素物質の合成と機能
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17H02724
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30211931)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼン環が長距離につながった二次元炭素構造グラフェンは、非常に大きなキャリア移動度を有するゼロギャップ半導体であるが実際には金属的性質(擬似金属)を示すため応用の範囲は透明電導膜など応用に限られる。このためグラフェンの構造改変による新しい応用法が望まれている。一次元細線構造や局所的二次元構造などの半導体に改変してフェルミ準位電近傍の電子状態密を高めることによりゼーベック係数を増強させ、更に化学構造が定まった空孔を導入することにより熱伝導率κを下げ、ドーピングを行うことにより適度な半導体の電気伝導度を調節すれば大きな熱電性能指数が得られる可能性が理論的に提案されている。しかしこの様な理論的に提案されている高い性能を持つために必要な分子レベルの微細構造形成やエッジ端の化学構造の制御を実験的に作り出すことには成功していない。本提案では、我々が開発した「分子設計した‘Z型’前駆体原料分子の2ゾーン型化学気相成長法」を用いるGNR合成法を使い、表面上で組織化した一次元細線:グラフェンナノリボンを分子間反応させエッジ端の化学構造を厳密に制御した新しい二次元空孔構造を創成し基礎物性の探索とデバイス応用を目的とする。本研究では、2ゾーン型化学気相成長法を用い、分子設計したZ型前駆体原料分子から金属表面上で自己組織化させたGNRを表面合成した。複数のGNR同士の鎖間反応により、エッジ端の化学構造を規定した従来に無い新しい二次元炭素構造:カーボンナノグリッドの表面合成に成功した。また走査トンネル顕微鏡によりその原子構造を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする新規炭素構造の表面合成に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って推進していく。
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Research Products
(17 results)