2018 Fiscal Year Annual Research Report
Highly efficient thermoelectric device by hybrid thermal conduction engineering
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17H02729
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 政宏 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (10466857)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | energy harvesting / thermoelectrics / phonon engineering |
Outline of Annual Research Achievements |
熱フォノンの波動性および弾道性を巧みに利用し、より高効率な熱伝導制御を行うことで、低環境負荷なシリコン熱電変換デバイスを実現することを目的とした研究を行っている。 シリコン薄膜に二次元フォノニック結晶ナノ構造を形成し、熱電材料の高性能化に資する熱伝導低減の技術開発および、MEMSプロセスおよびナノインプリントリソグラフィーを用いた熱電変換デバイス作製を行った。デバイスは、IoT応用を念頭に置いて室温付近で動作するよう設計されている。 基礎的なナノ構造を利用した熱伝導制御においては、ナノ構造を整列されたパターンにおいて、方向性を有する熱流を生成できることを世界で初めて実証した。 デバイス作製においては、ナノインプリントを用いたフォノニック結晶ナノ構造作製のために必要なパターンの設計および条件出しを行い、シリコン薄膜に1 cm四方のパターンを形成することに成功した。また、ナノ構造を形成しないものに比べて、形成した構造の性能の優位性を評価し、室温付近において開放電圧は4倍、発電量が10倍に飛躍的に増強されることを実証した。これは、設計したフォノニック結晶ナノ構造が、電気伝導率を10%の低減に留めつつ、熱伝導率を1/3程度に低減することにより得られたものであり、シリコン中の熱フォノンの平均自由行程を考えて設計したフォノンエンジニアリングによる手法が、実際の熱電変換デバイスの発電量の増強に有効であることを実証したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的な知見を順調に得ながら、デバイス作製の基盤技術開発が順調に進んでいる。現在のところ、大きな問題点はなく、全体として順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であることから、フォノニック結晶ナノ構造を有する熱電変換デバイスの作製を進め、性能評価および高効率化を行う。 熱電変換材料の高性能化はほぼ終了したため、今後は温度差を熱電変換材料により大きく形成するための熱設計を重点的に進める。
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