2017 Fiscal Year Annual Research Report
周波数可変型テラヘルツナノイメージャーの創出:物性物理への新規応用
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17H02730
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河野 行雄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90334250)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テラヘルツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、幅広い分野での活用が期待されているテラヘルツ電磁波のエバネッセント光を空間・周波数領域で制御し、その技術を基にしたテラヘルツ分光画像計測によるナノ量子物性研究の開拓と実証を行う。 今年度は、プラズモニック構造の作製と、それによるテラヘルツエバネッセント光の空間・周波数領域での制御を行った。まず基板となる誘電体材料として従来の無機材料ではなくポリマーを用いることで、プラズモニック構造としての機能を確認した。さらに、アパーチャーの空間的形状を工夫することで、空間的に閉じ込められたエバネッセント光の電界分布の制御を可能にした。また、アパーチャーの形状だけでなく、凸凹構造の高さや幅を変えることで、2つの共鳴現象の出現(プラズモンモードとキャビティモード)を見出した。これにより、構造の幾何学的なパラメータを変えることで、共鳴周波数を自由に変えられることが分かり、周波数軸上での制御も可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標はプラズモニック構造の高性能化(空間・周波数領域)であったが、複数の共鳴周波数を示す構造を特定し、実際に実験的な実証を得ることができた。また、この振る舞いを決定する構造の幾何学的なパラメータを特定した。本研究により設計の指針を得ることができたため、十分な進捗があっただけでなく、来年度に向けても有益な情報となる。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモニック構造については進展があったため、今後はデバイスとの結合を試みる。電磁界シミュレーションを用いることで予測を立て、効率的に実験を進める。
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