2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02742
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
張 民芳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60518330)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / カーボンナノ材料 / 動物実験 / 生分解 / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CNTは堅牢な構造を持っているため、生体内で分解されにくく、実用化する際に安全上の懸念が非常に大きい。本研究では、近赤外光吸収法を用い、生体組織内のCNT量の測定方法を開発し、免疫細胞と実験動物を用いてCNTの生分解性能を定量的に評価し、CNTの生分解速度とその物理化学特性の関連性を解明する。 本年度では研究計画した通り進展し、昨年確立した生体組織内CNT量の測定手法を用い、動物マウスの肝臓や肺内のCNTの蓄積量を測定し、CNTの組織内の生分解性を調べた。異なった直径の2種類の単層CNT、SG-CNT(直径1-5 nm、Ld-CNT)とCoMoCat SWNT (直径0.7-0.8 nm、Sd-CNT)を用い、CNTの生体内分布のサイズ依存性も明らかにした。BSAで分散した各CNTの分散液をマウスに単回尾静脈内投与し、投与後24時間、3日、7日、30日及び60日の各ポイントにCNTの肝臓や肺組織内の量を測定した。その結果、CNTの組織内の蓄積量はサイズ依存性があることが確認した。例えば、肝臓と脾臓内には直径が大きいLd-CNTの蓄積量が多いが、肺には直径が小さいSd-CNTの方が多かった。 また、肝臓および肺溶解物中のLd-CNTおよびSd-CNTの濃度は、時間とともに有意的に減少し、CNTが組織内に生分解される可能性があることを示された。特に、肺内のLd-CNTとSd-CNTの量は、投与後60日にほぼゼロに減少した。この結果から、少量なCNTが肺に侵入された場合は、生分解される可能性があり、毒性が少ないと考えられる。 また、本年度では、次亜塩素酸ナトリウムによりCNTが完全に分解されることを発見した。この技術を利用して、市販されている11種のCNTの完全分解されることを確認し、CNTの分解半減期を測定した。CNTの生分解速度とCNTの直径依存性があることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)