2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on ultrafine nitride semiconductor nanostructure for optical device platform fabricated by low-damege etching technique
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17H02747
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90266073)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ加工 / 量子ドット / 窒化物半導体 / 光デバイス / ナノ構造 / InGaN / 酸化物半導 / 分布ブラッグ反射鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は1月に発生した電子ビーム描画装置の不測の故障により実施期間を2021年度6月末まで延長した。このため、2021年度に実施した追実験の成果等を含めて報告する。 1.極微細InGaN/GaNナノピラー構造のエッチングマスクとして使用するSiO2ナノマスク作製技術を向上させるために、電子線描画からCrパターンのリフトオフ、SiO2 エッチングまでのプロセス技術の最適化を進めた。電子線レジストの現像時間やCr膜厚などの精査により、直径30nmのSiO2ナノマスクを周期60nmの高密度(面密度3.2E10cm-2)に配置した位置制御ナノマスクをほぼ100%の成功率で作製できる条件を見出した。 2.AlInN層付InGaN多重量子井戸LEDウェハを用いて1000Paの高圧条件でHEATE法によるエッチング特性を調べたところ、SiO2マスクの無い領域露出部において幅数十nmの高密度な垂直空隙を有する網目状のナノポーラス構造が形成された。この構造下部のInAlN層を熱硝酸で選択エッチング除去することによりInGaN-MQWを内在するナノポーラスが中空に保持されたナノポーラスメンブレン構造が得られた。この構造の室温PL発光強度は未加工部の20倍以上に増強し、マイクロLED等への応用が期待される新しいデバイス構造が提案された。また、FDTD法とPL測定を併用してこのPL強度増強効果の定量的な解明を行った。 3.HEATE法によるワイドギャップ半導体ナノ加工技術の光デバイス応用技術として、(010)Ga2O3単結晶ウェハを用いた光集積回路用分布ブラッグ反射鏡(DBR)構造の試作を行い、可視領域に対応するGa2O3(約45nm)/空気(約100nm)、深さ1.1umの垂直性の良い高アスペクト周期ナノ構造などの作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、申請者が提案する低損傷微細加工技術HEATE法を用いた極限ナノ構造作製技術の確立と光デバイス基盤技術への展開を目的としている。研究計画は、①HEATE法によるInGaN極限ナノ構造作製技術の確立とエッチング特性の学術的理解、②HEATE法で作製したInGaN/GaNナノ構造の表面非発光抑制技術の開発、③真の量子ドット作製(厚さ3nm、直径3nmのInGaN極限ナノ構造への挑戦)、④InGaN/GaNナノ構造(単一量子ディスク、単一量子細線)の基礎物性の評価、⑤InGaN/GaNナノ構造LEDと次世代光デバイスへの展開の5項目である。①、②、④は研究前半で順調に進展し明確な成果を得ており、③が予定外の手法で進展し、⑤が準備段階から実証段階に入った状況であり、「当初の計画以上に進展している」と評価した。 ①:NH3添加HEATEとTMAHによる垂直高アスペクトGaN系ナノピラー形成技術や飽オゾン水とフッ酸緩衝液による原子層デジタルエッチングなどを開発し、HEATE法のエッチング機構と特性を熱力学解析手法で解明した。 ②:InGaN/GaNナノピラーに様々な表面酸化処理を行い、飽和オゾン水処理が再現性と非発光再結合抑制効果を得られる効果的なパシベーション法であることを確認した。 ③:マスクレスNH3添加HEATE法により、面密度2.1E11/cm2、平均直径26nmの高密度極微細自己形成InGaN/GaN量子井戸ナノピラーの形成に成功した。 ④:InGaN/GaNナノピラーの発光寿命時間、内部量子効率、歪緩和、光取出効率などの直径依存性を実験と理論で系統的に評価してナノ構造効果の解明を進めた。 ⑤:HEATE法による無損傷ナノ加工を利用するInGaN量子ドットデバイスや有機無機複合型集積光デバイスに向けた高アスペクトナノ加工技術の開発と構造設計が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置の不測の故障やトラブルによる影響を除けば、研究は予定外の成果を含めて順調に進捗している。今後は、最終目標である極限のInGaN量子ドットの作製(項目③)と無損傷ナノ加工技術によるナノ構造光デバイス技術の確立(項目⑤)に重点をおきながら、項目①、②、④についても更なる進展を目指して研究を実施する。 ①InGaN極限ナノ構造作製技術と学術的理解:HEATE法を広範なデバイスに応用するために重要な開発項目であるAl含有層エッチング手法を、複数のガス種の検討と熱力学解析の活用により開拓する。。 ②InGaN/GaNナノ構造の表面非発光抑制:オゾン水処理による表面酸化と原子層堆積法によるSiO2膜やAl2O3膜を組み合わせて、パシベーション効果向上の可能性を探索する。ナノ構造の最大の課題である表面非発光再結合が抑制して、低損傷HEATE法で作製した極微細構造における真のナノ構造効果の発現を目指す。 ③真のInGaN量子ドット(高さ3nm、直径3nm)への挑戦:マスクレスHEATE法や位置制御HEATE法で作製した直径30nm以下の高アスペクトInGaN/GaNナノ構造に対して、オゾン水デジタルエッチングおよびTMAHエッチングを行って直径10nm以下の極微細ナノピラーを作製する。 ④InGaN/GaN極限ナノ構造の物性評価:③の極微細化技術と②の表面パシベーション技術を用いて高品質極微細InGaN量子構造を作製し、光学特性のサイズ依存性を系統的に評価する。歪緩和効果と量子閉込効果を分離してナノ構造効果の理解を深める。 ⑤InGaNナノ構造LEDと次世代光デバイスに向けた展開:ナノデバイス作製に向けたプロセス技術(絶縁体埋込、頭出し、低抵抗電極形成、素子分離など)の確立を進める。また、高アスペクトナノ構造を光共振器として利用する新しい有機/無機複合型光デバイスの構造を検討する。
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Research Products
(21 results)