2020 Fiscal Year Annual Research Report
反転対称性の破れた磁性半導体(Ge,Mn)Teにおける強磁性と電気磁気交差相関
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17H02770
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田口 康二郎 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, グループディレクター (70301132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超伝導 / トポロジカル転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、反転対称性の破れたGeTeと、トポロジカル結晶絶縁体として知られているSnTeの混晶系を作製し、どの組成でトポロジカル転移が生じているかを状態密度の組成依存性の測定を通して調べた。その結果、Sn濃度が70%付近で、状態密度が最大になり、第一原理計算が予測するトポロジカル転移がその組成で生じているものと推定された。一方で、トポロジカル相に特徴的な高い移動度については、多結晶試料を用いていることによって本来の値を得ることができず、トポロジカル転移を明確に捉えることはできなかった。現在、得られたデータを詳細に解析し、論文執筆の準備を行っている。 さらに、昨年度に発表した、GeTeにIn ドーピングによって生じる超伝導の振る舞いについても検討を行った。InTeの近傍でTcが増大する振る舞いについて、In欠損のあるIn_(x)Teを対象にしてより詳細な測定を行った。電子比熱係数の測定から、状態密度や、電子格子相互作用の強さを、In濃度の関数として決定し、第一原理計算と比較した。その結果、InTeの近傍での超伝導転移温度の増大は、状態密度の増大によるものではなく、主に電子格子相互作用が増大していることに依っていることが分かった。これらの結果を現在、論文にまとめているところである。この電子格子相互作用の増大が、単に格子定数の変化によるものか、あるいは、価数スキップ現象と関連しているかどうかを結論するには、今後の詳細な研究が必要である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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