2017 Fiscal Year Annual Research Report
development fo organic semiconductor double-heterostructures and microcavity lasers fabricated by slide boat method
Project/Area Number |
17H02771
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 史雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (90222009)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ダブルヘテロ構造 / 有機半導体レーザー / スライドボート法 / (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー / 微小共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
結晶性有機半導体(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)のダブルヘテロ構造作成のために、スライドボート装置改修を進めている。平成29年度は装置設計と試作がほぼ終了した。スライドボート装置でのダブルヘテロ構造作製は装置改造のため出来ないので、本年度は蒸着膜によるダブルヘテロ構造のEL素子評価を行った。現在報告されているTPCO系有機半導体では、BP2T-CN蒸着膜を第1層に用いたEL素子が最も明るかったが、BP1T-CN系を用いた物はまだ報告が無かった。そこで、BP1T-CN/BP3T/BP1Tのダブルヘテロ構造を蒸着法により作製し、その特性を評価した。その結果、電力効率1%程度という比較的良好なEL素子が実現できた。但し、本来最小バンドギャップを持つBP3Tでの発光が支配的な状況になるはずが、現状ではBP1T-CNのELが観測されており、その原因を現在調査中である。また、各種有機ポリマーや、有機半導体の光励起発振について各種共同研究を進めている。強発光性材料の微小共振器特性の解明などに、今後導入する蛍光顕微鏡等を活用する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スライドボート装置の改造前に、まず、分子両端に置換基としてシアノ基(CN)を付けたTPCO系材料の成膜を行った。この系を用いると、基板上に分子長軸が横たわって配置され、π結合へのキャリア注入が良好になる。シアノ系TPCOの内、BP1T-CNとBP2T-CNを用いた単層膜を作製・評価した。その結果、今まで行ってきたBP1TやBP2T等の場合には融点より低い温度での成膜が可能で、主に気相での薄膜成長だったのに対し、BP2T-CNでは融点よりかなり高温にしないと成膜が進まず、融液からの成長が起きている事がわかった。即ち、基板上に融液が固化する時に凝集し、10ミクロン前後のドット状の結晶状態で析出している事がわかった。BP1T-CNの場合、丁度融点程度で成膜可能で、ドット状結晶部分が多いが平板状結晶やニードル状結晶も混在した薄膜になる事がわかった。いずれの結晶状態でも光励起でのレーザー発振が得られ、良好な結晶化が確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度導入したブレード付ルツボでの成膜により、平坦部面積拡大がどの程度可能か、まずは第1層目のBP1T-CN系で行う。ブレードコート的な要素がうまく動作するか、その時の温度やスライドスピードなどの条件設定の最適化を行う。必要に応じて、各部品の改造を行い、さらにそれを3元系以上に拡張する。また、グローブボックスの雰囲気の設定などにも注意し、来年度以降の真空かが必要かどうかの目処を立てる。また、顕微光学顕微鏡系の鏡筒部分などを昨年度一部購入したので、追加部品を本年度に購入し、5ミクロン以下の高分解能が可能な顕微蛍光系設置を試みる。
|
Research Products
(18 results)