2018 Fiscal Year Annual Research Report
development fo organic semiconductor double-heterostructures and microcavity lasers fabricated by slide boat method
Project/Area Number |
17H02771
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 史雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (90222009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久雄 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00220179)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 有機半導体レーザー / ダブルヘテロ構造 / スライドボート法 / (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー / 微小共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
結晶性有機半導体(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)のダブルヘテロ構造作成のために、スライドボート装置改修を引き続き進めている。平成30年度はルツボの内部構造を改善し、原料の突沸などによる吹き出しを大幅に低減する効果が確認出来たが、原料の種類により個別化を図る必要があることがわかってきた。本年度はその個別化に関する調整を行い、それぞれの原料による最適化等を図る。また、当初想定していたより高温での成膜が必要で有ることがわかり、スライドボートの高温下におけるスライド動作が不安定な点、課題があることもわかってきた。本年度は、これの解決を図るために可動部と一体となった基板加熱部分の部品を交換し、スムーズな稼働と均一な成膜に資する制御を図る。さらに、温度設定を大幅に低温化できる可能性についても検討する。各ルツボには、外部から気化した良溶媒を導入する機構を取り付けてあるので、これを実際に試すと同時に、それらが排気系やグローブボックス内環境の劣化などに繋がるかどうかも見極めつつ、良好な結晶性ダブルヘテロ構造の構築に至る各種設定を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ルツボノズル付近での原料付着による成膜レートの変動や詰まりなどを改善するために、ノズル付近の温度をルツボ本体部分より高温に設定する改良を施した。また、原料の突発的な吹き出しを防ぐための内部構造を導入した。シアノ系TPCOを原料として用いた場合、初期設計では最高温度400℃程度のルツボ部分加熱を想定していたが、内部構造の導入により、より高温が必要であることがわかってきた。現状温度コントローラーなどの制約でその改善が難しく、かつスライド部分に対する影響もかなり大きな事がわかってきたので、活性層として想定していたBP2T-CNを見直すと同時に、内部構造の調整などを行ってきた。また、ブレード部分の改善も図り、基板とブレード部分の接触を改善する機構なども導入したが、まだ良好な平坦状結晶が得られる状況には至っていない。本年度はそれらの調整を進め、個別原料に対するルツボ構造や条件設定などを進める。
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Strategy for Future Research Activity |
現状3元系の窒素雰囲気中での成膜が出来る条件設定は整ってきたが、温度設定の高温下に伴う各種課題が蓄積してきた。そこで、本年度は前記ルツボ周辺やスライド機構の改善を図るだけで無く、成長条件の温度設定をより低温下出来る可能性のある溶媒雰囲気の導入も検討する。各ルツボに外部から気化した良溶媒を導入する機構は既に取り付けてあるので、これを実際に試すと同時に、それらが排気系やグローブボックス内環境の劣化などに繋がるかどうかも見極めつつ、良好な結晶性ダブルヘテロ構造の構築に至る各種設定を進める。これに伴い、当初設置する可能性もあった全体の真空化や5元系への拡張は中断し、より実効的かつ詳細な成長条件を探索することとする。
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Research Products
(20 results)