2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02774
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 勇介 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90252618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 和文 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40346185)
吉川 洋史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50551173)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスピリンは、安定形(Ⅰ形)と準安定形(Ⅱ形)の結晶形が非常に似ているために、単一結晶の内部に両方の相が混在して存在することが報告されてきた。作り分けが困難な物質の相転移現象を明確にすることができれば、例えば結晶化初期に失われて気づかれてこなかった準安定形を発見する手がかりになると考え、アスピリン単結晶の相転移現象を詳細に観察した。レーザーラマン顕微鏡によってⅡ形であることを確認した結晶を低過飽和溶液中で成長させ、結晶相と結晶の形状の変化をレーザーラマン顕微鏡および光学顕微鏡を用いて観察した。その結果、結晶の溶液環境に暴露している面は比較的早くⅠ形への相転移が進むことが分かった。またその進行については、結晶の縁から中心部に向かって進んでいた。相転移結晶のガラス容器に接している面については相転移が比較的遅いことが分かった。これは、ガラス面に接している結晶表面では溶液の交換が起こりづらいため結晶の成長が遅く、結果として相転移も緩やかであることを示す。経時とともに結晶の表層全体がⅠ形で覆われることが分かった。中心部にⅡ形が残存している結晶も多く、多形探索の際には得られた安定形の中心部近傍を分析すると準安定形を発見できる可能性が示唆された。 また、難水溶性化合物の結晶化が多く求められるため、アセトアミノフェンとアセトニトリルの系を用いて、有機溶媒を使用した場合にも超音波印加法とポリマー添加法が効果的に適用できるよう、技術拡張を行った。使用する有機溶媒とポリマー表面の濡れ性が重要であり、できる限り濡れ性が悪い組み合わせを選ぶと、ポリマー表面に気泡がトラップされやすくなる。この状態で超音波を印加すると、高効率にキャビテーションバブルを発生させることができるため、準安定形結晶化の促進に効果的であることが分かった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] IDENTIFICATION OF MICRO CRYSTALS AND VISUALIZATION OF ORGANIC COMPONENTS IN KIDNEY STONES -FOR THE ELUCIDATION OF THE FORMATION MECHANISM OF KIDNEY STONES-2019
Author(s)
M.Maruyama, Y.Tanaka, K.P.Sawada, K.Momma, R.Tajiri, Y.Furukawa, R.Fujimoto, Y.Tsuri, R.Mori, Y.Kamihira, Y.Sugiura, R.Ando, S.Hamamoto, K.Taguchi, T.Kato, K.Hasebe, R.Unno, T.Sugino, M.Isogai, J.Yamanaka, T.Okuzono, A.Toyotama,H.Miura,Y.Ohtomo,H.Y.Yoshikawa,M.Nakamura,K.Tsukamoto,A.Okada, M.Yoshimura, T.Yasui, Y.Mori
Organizer
19th International Conference on Crystal Growth and Epitaxy (ICCGE-19)
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] A NEW METHODOLOGY FOR CRYSTAL PHASE IDENTIFICATION OF KIDNEY STONE THIN SECTION BY MICROSCOPIC FT-IR2019
Author(s)
K.P.Sawada, M.Maruyama, Y.Tanaka, R.Tajiri, K.Momma, Y.Furukawa, R.Fujimoto, Y.Tsuri, R.Mori, Y.Kamihira, Y.Sugiura,K.Taguchi, S.Hamamoto,R.Ando, T.Kato,R.Unno,T.Sugino,M.Isogai,K.Hasebe,J.Yamanaka,T.Okuzono,A.Toyotama,H.Miura, Y.Ohtomo, M.Nakamura, H.Y.Yoshikawa, K.Tsukamoto,A.Okada, M.Yoshimura, T.Yasui, Y. Mori
Organizer
19th International Conference on Crystal Growth and Epitaxy (ICCGE-19)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 難水溶性化合物の多形制御に向けたポリマーアシスト超音波印加法の開発2019
Author(s)
稲岡奈々, 丸山美帆子, 釣優香, 澤田紘一, 久住翔太, 岡田詩乃, 安達宏昭, 吉川洋史, 高野和文, 塚本勝男, 今西正幸, 吉村政志, 森勇介
Organizer
第48回結晶成長国内会議(JCCG-48)
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[Presentation] レーザー照射による尿素結晶化のパルス時間幅依存性2019
Author(s)
釣優香, 丸山美帆子, 吉川洋史,池山潤, 岡田詩乃, 安達宏昭, 高野和文, 塚本勝男, 今西正幸, 吉村政志, 森勇介
Organizer
第48回結晶成長国内会議(JCCG-48)