2019 Fiscal Year Annual Research Report
Time-resolved SP-STM study of spin dynamics in ferromagnetic nanostructures
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17H02779
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 博文 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (70374600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 忠弘 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30312234)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スピン偏極STM / Coナノ構造 / 時間分解測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
Cu(111)基板上に室温でCoを蒸着することにより、三角形状の2原子層Coナノ構造を自己組織化的に作製した。また、室温でCoとNiを連続蒸着することにより、Coナノ構造の縁をNiで囲んだCo-Niコア-シェル構造の作製に成功した。同様に強磁性体-非磁性体のコア-シェル構造を作製するためCoとAgを連続蒸着したが、2原子層成長するCoに対してAgは1原子層成長するためCoとAgの界面がうまく接合せず、ラフな界面をもつCo-Agコア-シェル構造しか得られなかった。 走査トンネル顕微鏡・分光法により、上記Coナノ構造とCo-Niコア-シェル構造において、電子定在波が形成されることを明らかにした。電子定在波の波数ベクトルを高速フーリエ変換解析により導出し、そのエネルギー依存性からCoナノ構造とCo-Niコア-シェル構造の表面状態のバンド分散を求めた。Coナノ構造の表面状態がナノ構造への閉じ込め効果から量子化されていることを確認した。量子化された準位それぞれのエネルギー半値幅は、準位のエネルギーが大きくなるにつれて大きくなることがわかった。この結果は準位のエネルギーが大きいと緩和時間が短くなることに対応し、緩和時間は数十フェムト秒のオーダーであることがわかった。また、Coナノ構造とCo-Niコア-シェル構造の結果の比較から、Coの表面状態の緩和時間はNiで囲むことにより長くなる傾向が示唆された。 一方、局所的に緩和時間を測定するために、先行研究にならい電圧ポンプ-プローブによる時間分解測定法を立ち上げた。しかしながら、緩和時間を導出できるような明瞭な測定結果を得ることはできなかった。その理由として、電圧ポンプ-プローブ法の時間分解能はナノ秒オーダーであることが考えられる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)