2018 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトル非線形ラマン散乱イメージングによる人工知能病理診断
Project/Area Number |
17H02793
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 守 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (70237949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40154900)
加藤 祐次 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (50261582)
三宅 淳 大阪大学, 国際医工情報センター, 特任教授(常勤) (70344174)
新岡 宏彦 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 特任准教授(常勤) (70552074)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 深層学習 / 非線形ラマン散乱イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
人工知能を用いた次々世代の病理診断およびスクリーニング技術を確立することを目的として,ハイパースペクトル非線形ラマン散乱イメージの人工知能を用いた解析により,病変部や正常部の分別,組織の分別する手法の確立を目指す. まずは,人工知能により観測データのノイズ低減による観測時間の短縮化について検討した.非線形ラマン散乱顕微鏡を用いて異なる露光時間によるCARS画像を観測し,長時間露光で観測した画像を教師データ,短時間露光で観測した画像を入力データとして深層学習を行った.また,様々な露光時間で観測した画像の画質を評価し,深層学習によって再構成した画像と比較することにより,深層学習によるノイズ低減効果を見積もった.実験結果から,深層学習を用いた再構成により,露光時間を10から15としたことに相当するイメージを取得できることがわかった.一般に広く用いられるガウシアンフィルターの場合には分解能の低下が見られるが,深層学習によれば分解能の低下を抑えながら,画質の向上をはかれることがわかった.これらの学習結果を非線形ラマン散乱硬性鏡イメージへと適用(転移学習)し,数秒の露光時間でも十分なSN比の観測が可能であることが示された. 蛍光画像により組織の分別の学習を行い,これを非線形ラマン散乱像へ転移学習することで分別精度が向上することも確かめた.非線形ラマン散乱像の取得は,蛍光観測に比べて観測時間を要するため大量のデータを取得することが難しいが,容易に大量な画像を取得することが容易な蛍光画像を用いて予備学習を行うことで,非線形ラマン散乱像の精度向上を目指すことができることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形ラマン散乱イメージングの取得と,深層学習によるイメージ解析の環境が整った.また非線形ラマン散乱イメージの取得には,レーザーの調整,2ビームの時空間的重ね合わせが必要で,熟練した技術がないと観測を行うことが難しいが,指導した学生が十分に経験を積み,データ取得をルーチン的に行えるようになってきた.また,深層学習を行うコンピュータ環境を整え,様々なパラメータで並列に学習させながら,同時にコーディングできる環境が整った.
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Strategy for Future Research Activity |
無染色観測してから染色を行い,教師データを作成する方法を確立する.また,深層学習のセグメンテーションにおいて,従来使われてきた評価関数ではなく,新しい評価関数を用いることで,セグメンテーション能力の向上を目指す.その上で,ハイパースペクトルイメージの大量取得と,深層学習によるセグメンテーション化を行う.これまでも,共同研究者とスカイプ等により議論を行ってきたが,より濃密に議論することでデータの解釈を詳細に行う.
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Research Products
(10 results)