2018 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of Single Photon Vortex from a Quantum Dots Embedded in a Photonic Crystal Nanocavity
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17H02796
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 敏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40359667)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光渦 / フォトニック結晶 / 量子ドット / ナノ共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、H1型フォトニック結晶ナノ共振器の四重極モードを活用することで、量子ドット内の電子のスピン角運動量と光の軌道運動量を結ぶインターフェースとして利用できる可能性を示してきた。このH1型共振器において、共振器周辺の円孔構造を変調することにより、共振器内を回転するモードのQ値をその回転方向に応じて制御できる可能性があることがわかった。この現象を活用できれば、特定符号の軌道運動量をもつ光を放射させることが可能になる。また、本課題で検討してきたフォトニックナノ構造中での光のスピン軌道相互作用を活用することで、様々な特殊な光ビームをオンチップで生成できる可能性を広く検討した。マイクロリング共振器の表面に2重回折格子を適切に設けることで、ビーム断面に全ての偏光状態を有するフルポアンカレビームの生成が可能であることを明らかにした。H1型フォトニック結晶ナノ共振器を用いて得られる光渦の場合、原理的にl=±1の軌道角運動量をもつ光に限定されるのに対して、今回検討した手法では、表面に形成する回折格子の次数を変えることで、様々な次数のフルポアンカレビームを生成できるのが特徴である。リング共振器のモードと量子ドットの適切な相互作用が実現できれば、特殊な偏光状態を有する単一光子の生成が可能になると期待できる。また、同手法を応用することで、高次ポアンカレ球上にマップされる任意のビームの生成も可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H1ナノ共振器構造の変調により、特定符号の軌道運動量をもつ光渦放射の可能性を見出したほか、フルポアンカレビームなどの特殊なビームのオンチップ生成手法の提案ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
特定符号の軌道運動量をもつ光渦放射を可能にする構造の条件を明らかにするため数値計算のよる解析を継続するとともに、実験による実現を目指した研究活動を推進する。
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Research Products
(10 results)