2019 Fiscal Year Annual Research Report
酸素プラズマによる植物機能のエピジェネティックな発現および遺伝機構の解明
Project/Area Number |
17H02806
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 信哉 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40295019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳生 義人 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (40435483)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 植物成長促進 / 酸素プラズマ照射 / エピジェネティクス / 遺伝子発現 / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. プラズマ照射効果(成長促進効果)と種子細胞内でのエピジェネティックな遺伝子発現との相関 マイクロアレイ解析による網羅的な遺伝子発現変動解析により,プラズマ照射により特発現量が変動するエピジェネティクス関連遺伝子が,Pkdm7d,Jmj14,MBD9,REF6,AT1G11950であることを特定した.各遺伝子の発現量の変動を計測した結果,ガス種や放電電圧の変化により発現量が変化することが分かった.リアルタイムPCRを用いて染色体領域の構造に関する遺伝子の発現量の変化を定量的に調べた結果,エピジェネティクス関連遺伝子JmJCや,遺伝子変異を抑制・修復するシャペロン遺伝子の発現が変動していた.特に,複数の酸素プラズマ源を用いて生成される活性酸素種の密度を変化させて,エピジェネティクスおよび抗酸化関連遺伝子の発現量を調べた結果,プラズマ中の活性酸素種の生成量とエピジェネティクス関連遺伝子の発現量とは正の相関があることが分かった. 2. プラズマ照射からエピジェネティクスへ至るパスウェイの解明 酸素プラズマを照射した植物種子の遺伝子発現解析結果より特定した上述のエピジェネティクス関連遺伝子の変化の傾向から,植物種子への酸素プラズマ照射からエピジェネティクスへ至るパスウェイを推定した.①活性酸素が細胞膜を透過して核に到達 → ②ヒストン修飾およびDNAメチル化反応を触媒する酵素の酸素受容体(-SH)に活性酸素が結合・活性化 → ③ヒストン修飾およびDNAメチル化が反応が促進する,といったパスウェイが想定される.これら①~③の反応を触媒する酵素をコードする遺伝子の発現量を調べた結果,いずれの発現量もプラズマ照射により増加する結果が得られた. 以上の実験項目1,2より,酸素プラズマ照射による植物生体機能(発芽・成長促進等)の発現および次世代への継承のメカニズムの一つが明らかとなった.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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