2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an innovative powder molding simulator for high-precision die design
Project/Area Number |
17H02825
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 幹夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00391342)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 計算科学 / 粒子法 / 離散要素法 / 粗視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Discrete Element Method(以下、DEMと記す)とComputational Fluid Dynamics (以下、CFDと記す)を連成したDEM-CFD法は、世界標準の固体-流体連成シミュレーション手法として知られている。申請者のグループは、Signed Distance FunctionとImmersed Boundary Methodを結合した壁境界モデルをDEM-CFD法に導入した手法(Advanced DEM-CFD法)を独自開発した。本手法により、任意形状の計算領域内における固体粒子を有する混相流の挙動を模擬することができるようになった。本事業において、Advanced DEM-CFD法を用いて空気の流動を考慮した粉末金型充填の数値シミュレーションを実行して、実験結果と計算結果との整合により、計算モデルの妥当性を示した。Advanced DEM-CFD法により、粉末金型充填に要求される極めて複雑な体系の計算(すなわち、任意形状の壁境界が動きながら、空気と固体粒子の相互作用を計算)に成功した。 今年度は、Advanced DEM-CFD法に、申請者のグループで独自開発したDEM粗視化モデル(DEMのスケーリング則モデル)を導入した。Advanced DEM-CFD法とDEM粗視化モデルを融合したシミュレーション手法を粉末金型充填ばかりでなく、他の固気混相流にも適用した。数値計算同士の比較(Verification)および数値計算と実験の比較(Validation)を行い、本手法が妥当であることを示した。実際の固体粒子よりも大きな粗視化粒子を用いて、オリジナル体系の固体粒子の挙動を模擬することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的に当初の計画に沿って研究を実施することができた。Advanced DEM-CFD法に、申請者のグループで開発したDEM粗視化モデルを導入したシミュレーション手法を新たに開発して、粉末金型充填ばかりでなく、他の固気混相流体系においても本手法の妥当性を示すことができた。このことから、現在までの進捗状況が「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づいて、金型に粉末が充填された後の粉末圧縮シミュレーションに取り組む。また、本事業において、局所体積平均法を用いた混相流の数値シミュレーションにおける流体のメッシュ解像度を固体粒子や固体オブジェクトの大きさに依らずフレキシブルにモデル化する手法を開発したので、既存のDEM-CFD法では適用することのできない薄板構造物を有する粉末金型充填体系の数値シミュレーションなどにも取り組みたい。
|
Research Products
(7 results)