2020 Fiscal Year Annual Research Report
電磁場解析のエクストリームスケール・コンピューティングを実現する高速数値解法開発
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17H02829
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
荻野 正雄 大同大学, 情報学部, 准教授 (00380593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 知広 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30420368)
和田 義孝 近畿大学, 理工学部, 教授 (40350847)
杉本 振一郎 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40451794)
武居 周 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40598348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計算工学 / 計算電磁気学 / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 有限要素法 / 線形方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a) 提案する複素対称線形方程式向けのCOMINRES-QLP法について,悪条件問題に対する有用性を示した.その成果をまとめた論文は翻訳出版に選定された.また,プレエクサ機として,Fujitsu ARMプロセッサ搭載機である名古屋大学「不老」FX1000とNVIDIA GPU搭載機である東京大学ReedbushへのDDMソルバ移植と性能評価を行った.特に,マルチコアCPUと複数GPUの異種混在環境におけるDDMアルゴリズムとして,OpenMPの動的スケジューリングを利用した動的負荷分散を提案・実装し,大規模有限要素解析のGPGPUによる高速化に成功した.(b) 多階層DDMの開発を継続して実施した.特に,2階層目DDMソルバの並列アルゴリズムを見直し,2階層目部分領域ごとの同時並行的な計算を可能とし,MPIコミュニケータ分割によって実装を行った.(d) ボクセルベース数値人体モデルの有限要素解析向け平滑メッシュ生成として,重心ボロノイ分割に基づくDelaunay分割の平滑化技術を開発した.特に,重心ボロノイ構造の探索において,機械学習分野で用いられるOptimizerの応用したMomentum+法を開発し,重心ボロノイ分割の効率化に成功した.(e) 臓器ごとの物性値を考慮した数値人体モデルを用いた人体内部の電磁界-熱伝導連成問題の試解析を実施し,電磁誘導加熱による人体内部の詳細な温度分布解析に向けた開発システムの有効性を評価した.血流による冷却効果や関連する物性値の温度依存性は考慮できていないが,人体フルモデルを用いた温熱療法シミュレーションの可能性が見られた. また,計算電磁気学の専門家を集めた「第4回大規模電磁界数値解析手法に関する研究シンポジウム」(2021/03/11,オンライン)を主催し,本研究計画に関する情報収集および支援体制の強化に繋げることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた項目(a)~(e)はほぼ当初計画通りであり,さらに研究進捗報告を兼ねた研究シンポジウムをオンライン開催するなど,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しているため,当初計画通りに研究遂行していく予定である.想定していたエクサスケールスパコンは市場投入が遅れているが,プレエクサ機と呼ばれるスパコンを積極的に活用することで,研究を一層加速させていく.また,2021年度は最終年度であり,今後の研究の発展性についても検討する.
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