2019 Fiscal Year Annual Research Report
Rigidity of non-isometric actions of discrete groups and non-linear spectral gap
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17H02840
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90244409)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ラプラシアン第1固有値最大化 / 球面内の極小閉曲面 / グラフの最適埋め込み |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 球面S^n内の高種数の極小閉曲面を構成する問題について研究を行った. 研究の動機として, ラプラシアンの第1固有値を最大化する閉曲面上の計量が球面への極小はめこみによる誘導計量として与えられることが知られており, したがって, 球面内の高種数の極小閉曲面を構成することで, そのような最大化計量の候補が得られるということがある. 種数3以上の場合に最大化計量が未知であるので, とくに種数が低い例を与えることを目指している. LawsonによるS^3内の高種数極小閉曲面の構成を高次元化し, S^nの3角形分割として正2^{n+1}胞体を用いることで高種数の極小閉曲面を構成した. ただ, この構成で得られる極小閉曲面は自己交叉点を多く持ち, しかも種数が高くなる傾向がある(S^5, S^6で種数5, S^7で種数49等). 最大化計量を与える極小閉曲面は, 高い対称性を持つとともに, 自己交差が少ないことが期待されるので, 今後, 別の構成法を考案して, 自己交叉が少なく種数も低い例を見出したい. また, 昨年度に引き続き, 有限グラフのユークリッド空間への埋め込みに関する最適化問題と線形スペクトルギャップの最大化問題について研究を行なった. この研究は, 有限グラフの非線形スペクトルギャップの研究に動機付けられたものである. 類似の埋め込み最適化問題としてGoering-Wappler-Helmbergによるものが知られていたが, 両者の埋め込み最適化問題の関係を明らかにすることにより, 我々の埋め込み最適化問題の最適値と第線形スペクトルギャップの最大値の間にもある等式が成立することが示せた. また, アルキメデス多面体を始めとして対称性の高い様々な多面体について, Goering達および我々の埋め込み最適化問題の解を求めることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LawsonによるS^3内の高種数極小閉曲面の構成を高次元化することにより, 高次元球面S^n内の高種数極小閉曲面を構成することができた. 有限グラフのユークリッド空間への埋め込みに関する最適化問題について, 我々の問題とGoering-Wappler-Helmbergによる類似の埋め込み最適化問題の関係を明らかにすることにより, 我々の埋め込み最適化問題の最適値とラプラシアン第1固有値の最大値の間にある等式が成立することが示せた. また, アルキメデス多面体を始めとして対称性の高い様々な多面体について, Goering達および我々の埋め込み最適化問題の解を求めることができた. この研究について, 現在, 専門誌への投稿論文をまとめているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
LawsonによるS^3内の高種数極小閉曲面の構成を高次元化することにより, 高次元球面S^n内の高種数極小閉曲面を構成することができたが, この構成で得られる極小閉曲面は自己交叉点を多く持ち, しかも種数が高くなる傾向がある(S^5, S^6で種数5, S^7で種数49等). 最大化計量を与える極小閉曲面は, 高い対称性を持つとともに, 自己交差が少ないことが期待されるので, 今後, 別の構成法を考案して, 自己交叉が少なく種数も低い例を見出したい. 有限グラフのユークリッド空間への埋め込みに関する最適化問題とラプラシアン第1固有値の最大化問題に関する研究を継続する. 最近, 我々の埋め込み最適化問題を適切に修正したものが, Goering-Wappler-Helmbergによるものと同様, ラプラシアン第1固有値の最大化問題の双対問題であることが確認できた. Goering達の結果を用いることで両問題の間にも双対ギャップがないことが分かるが, まずはこの事実の直接的証明に取り組むことにより, 双対性への理解を深めたい. 一昨年度の研究において, フラーレンのラプラシアン第1固有値を最大化する辺ウェイトが一様ウェイトから微妙にずれることを考察したが, この現象の生じる理論的背景を突き止めたい. 離散群のヒルベルト空間へのアフィン等長作用に関して同変な離散群からヒルベルト空間への離散的調和写像の存在定理を強化する方向での研究を推進するとともに, ヒルベルト空間を一様凸バナッハ空間に置き換えて非等長的作用に関する固定点定理を一般化する方向でも考察を進める.
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