2019 Fiscal Year Annual Research Report
Microlensing Survey for Exoplanets beyond the Snow Line
Project/Area Number |
17H02871
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 暁彦 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (60632049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 文雄 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 客員准教授 (80184224)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 太陽系外惑星 / 重力マイクロレンズ法 / 雪線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、MOA(Microlensing Observations in Astrophysics)プロジェクトとして口径1.8mの専用光学望遠鏡を用いて進めている重力マイクロレンズ法による太陽系外惑星探索を4年間継続し、研究期間内に新たに約30個の惑星を発見する。また、口径8.2mのすばる望遠鏡や口径10mのKeck望遠鏡などの大口径型望遠鏡および補償光学装置を用いた主星光の観測も並行して進める。これにより、惑星の形成現場である雪線以遠の惑星の質量分布を詳細に描き出すことを目指している。
2019年度は、専用望遠鏡が設置されているニュージーランドの観測所に学生を計5名×1ヶ月間派遣して重力マイクロレンズイベントの探索を推進し、恒星 (レンズ星)の重力に由来する「通常イベント」を約450例発見し世界にアラートを発信した。さらに、それらのうちレンズ星に惑星が付随する可能性のある「惑星候補イベント」を6例発見した。これらのイベントは現在データを詳細解析中である。さらに、過去の惑星イベントの観測データについて国際協力で解析・論文化を進め、新たに11個の惑星および惑星候補を発見し、計9本の論文を出版した。また、銀河中心と反対の方向で発見された惑星イベント「Kojima-1」についての追観測の結果をまとめ、論文を出版した。これらの成果や関連する研究成果について、国内研究会で7件、国際研究会で1件の口頭発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、本科研費で計5名の観測者をニュージーランドの観測所に派遣し、大きな問題なく惑星探索の観測を推進することが出来た。これにより、計6例の惑星候補イベントを発見した。また、該当年度に惑星11個の発見を含む計14本の査読論文を出版した。この惑星発見数は目標(年間8個程度)を上回る数である。これらの進捗状況を踏まえ、上記評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は本研究の最終年度であるが、新型コロナ蔓延の影響により、ニュージーランドに渡航して現地観測を実施することが困難であるため、研究期間を1年延長する予定である。また、日本国内からリモート観測が行えるように、観測環境の整備を行う予定である。
|