2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02872
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大島 泰 国立天文台, 先端技術センター, 助教 (40450184)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超伝導検出器 / ミリ波サブミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
サブミリ波銀河の観測に基づくダストに隠された宇宙星形成史の研究、スニヤエフ・ゼルドビッチ(SZ)効果を利用した銀河団中の相対論的および非熱的効果の研究、およびガンマ線バーストのサブミリ波残光の探査とそれに基づく高赤方偏移宇宙での星生成活動の探索を行うことを目指して、超広帯域の集積型多色ミリ波サブミリ波カメラを開発する。本研究では、これまで進めてきた2色同時撮像カメラを基盤とし、新しく多色同時撮像の集積型アレイ技術を導入することで、多色同時撮像のミリ波サブミリ波カメラの開発を行う。 本年度は、検出器の受信部となる主に直交偏波分離器(Orthomode Transducer)と受信した信号を弁別する集積型の超伝導周波数フィルターの設計を行った。直交偏波分離器においては、受信プローブの形状、受信プローブとバックショートの距離、および導波管の長さを調整することによって、導波管カットオフによるハイパスフィルターを形成しつつも周波数比帯域で最終的に必要な0.82の超広帯域を実現することができた。一方で、超伝導周波数フィルターの設計においては、従来使われてきたマイクロストリップライン型ではインピーダンスを大きくすることが難しく、信号線の50Ωラインとインピーダンス整合を取れないため、コプレーナー線路を用いることでより広帯域のフィルターを実現できることを明らかにできた。また、直交偏波分離器を用いた検出器のビーム形状を測定するためのビームマップ測定系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
集積型超伝導周波数フィルターの最適化シミュレーションに当初の予定以上に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
集積型超伝導周波数フィルターの最適化を早期に終え、製作と評価に進む。 また、直交偏波分離器に合わせたフィードホーンの最適化、集積型超伝導周波数フィルターの周波数特性を測定するための光学系およびフーリエ分光器による測定系の構築を行う。
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