2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a direction sensitive dark matter detector with anisotropic-response scintillators via bolometric readout
Project/Area Number |
17H02884
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 洋之 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (90402768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山路 晃広 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20779722)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 暗黒物質 / シンチレータ / ボロメータ / 素粒子実験 / 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
暗黒物質と同様の原子核反跳を起こす中性子を用いたZnWO4結晶の発光の異方性を引き続き精査した。これまでに885keV の中性子ビームに対する酸素原子核反跳について, 発光量の差が大きいと予測されるA面とB面の二面での異方性測定が行われており、15.3% の異方性が確認されていた。本年度は産業技術総合研究所放射能中性子標準グループの施設において、それよりも低エネルギーの565keV の中性子ビームを使用して、発光量の差が小さいとA 面とC 面で~100keVの酸素原子核反跳の発光応答の測定を行った。 その結果A 面とC 面での発光量の差が<5.0% であり、a 軸方向とc 軸方向に対しては誤差範囲で、異方性は見られなかった。これにより重粒子の発光応答はA 面とB 面で大きく差異があるがA 面とC 面では差異が小さいことが確認できた。地球の自転による発光量の日周変化を測定する場合、結晶の二軸以上に対する大きな異方性があると応答が複雑になるため、この結果は暗黒物質探索においては望ましいものである。そのため、例えば暗黒物質の直接探索ではb 軸を南北に固定した場合と東西に固定した場合の信号の違いを観測することでWIMP の探索実験を行うことができる。 一方、ZnWO4結晶の発光減衰時定数の精査も行った。アルファ線では入射面によって異なり、発光量の最も多いB 面への照射時が最も長く24.5±0.3μsec となり、ガンマ線による減衰時定数に近いことが分かった。このことから、発光量と減衰時定数に関係があり、発光量の異方性をクエンチングの異方性と扱って中性子や暗黒物質への応答を計算していることの妥当性が高まった。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|