2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of High Intensity Laser-Electron Photon beam for high precision hadron physics
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17H02892
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 憲仁 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (40397766)
清水 肇 東北大学, 電子光理学研究センター, 名誉教授 (20178982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レーザー電子光 / ハドロン |
Outline of Annual Research Achievements |
SPring-8 のレーザー電子光ビーム施設では、大型ソレノイド電磁石を用いた、ペンタクォーク粒子の検証やハドロン分子共鳴状態候補である(1405) の構造を解明を目的としたハドロン物理実験が本格的に始動する。多大な電力を消費するソレノイド電磁石の運転時間を抑えつつ、高統計の精密ハドロン分光により、ハドロンを記述するもっとも基本的な自由度として何が可能かという問いに答えるには、ビームの高強度化が喫緊の課題である。本研究では、SPring-8 の蓄積電子ビームに対して、繰り返し周波数を最適化したパルスレーザー光を電子ビームに同期して入射することにより、散乱効率を劇的に改善し、レーザー電子光ビームの強度を増強することを目的とする。本研究では不規則なタイミングパターンでも高出力でかつタイミング制御された光増幅が可能なシステムを開発し、蓄積電子ビームのRF信号を外部トリガーシグナルとして用いることにより、入射レーザーと電子ビームの衝突がレーザー径が最小になる点で起こるように同期する。レーザー電子光ビームライン(LEPS)でSPring-8の電子ビームに同期させてレーザーを入射したところ、非同期に比べて顕著なビーム強度の増強が確認された。またレーザー光と電子ビームの衝突点をタイミング調整により、コントロールできる利点を活用して入射レーザーの衝突点付近のプロファイルを測定した。さらにプロファイル測定から計算したビームの増強度が実測値とほぼ一致することを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では不規則なタイミングパターンでも高出力でかつタイミング制御された光増幅が可能なシステムを開発することが技術的に一番大きな課題であった。定常的な外部シグナルによるレーザー媒質中の反転分布形成では、励起と放出が釣り合うが、不規則なパターンによりシグナルが途切れると、反転分布密度が高くなりすぎ装置を損傷するという問題が起こる。そこでパススが途切れたことを検出して反転分布密度が高くなりすぎないように制御するシステムを開発した。そのシステム開発に当初の想定以上の期間がかかったが、システム導入後の研究は順調に推移ししており、高レーザー強度での実験に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー径のタテヨコ比を変化させて扁平な電子ビームとの衝突確率を増加させるためシリンドリカルエキスパンダーを導入し、さらなるビーム強度の増強を図る。
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Research Products
(1 results)