2018 Fiscal Year Annual Research Report
Homo-chiral crystal growth in inorganic chiral magnetic compounds by stirring with high temperature and floating zone method
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17H02912
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高阪 勇輔 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (60406832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 弘泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40596607)
西原 禎文 広島大学, 理学研究科, 准教授 (00405341)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 結晶成長 / 物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における目的は、“無機キラル化合物の結晶構造キラリティを制御出来る新規不斉結晶育成手法の開発”と、“キラル磁性体における結晶と磁気構造のキラリティ結合の実験的検証”である。平成30年度において得られた成果は以下の通りである。 (a) 無機キラル化合物の不斉結晶育成手法の開発 ラセミ双晶結晶が生成される水に不溶なキラル化合物については、撹拌法を高温で実施する為の電気炉の構築・改善、また、単結晶育成のコンピューターシミュレーションを行う為の環境整備を行った。さらに、自発的に結晶キラリティが偏る物質においては、レーザー浮遊帯域炉による浮遊帯域法による無機キラル磁性体TSi (T: 遷移金属元素) の大型単結晶育成に成功した。これら構築した結晶育成環境を引き続き活用して、キラル化合物の不斉単結晶育成手法の確立及びその不斉単結晶の大型化を目指す予定である。 (b) キラル磁性体における結晶と磁気構造のキラリティ結合の実験的検証 無機キラル磁性体TSiの磁化測定及び中性子散乱測定を実施し、本物質群における詳細な磁気相図の作成を行った。また、無機キラル磁性体CsCuCl3において、高圧・強磁場下における中性子散乱測定を実施し、高圧及び強磁場下においてのみ観測される新たな磁気秩序相の観測に成功した。今後、非弾性中性子散乱法によるキラル磁性体のスピン分散曲線の観測を視野に入れた研究を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSiの大型単結晶育成に成功したことと、結晶育成環境を改善することが出来た為、引き続き、水に不溶なキラル化合物の不斉結晶育成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の計画に基づいて研究を推進する予定である。引き続き、整備した環境を用い、無機キラル化合物の結晶育成を行う。また、得られた不斉単結晶試料による中性子散乱測定も行う予定である。
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Research Products
(67 results)