2019 Fiscal Year Annual Research Report
真性T'構造銅酸化物における電子状態とノンドープ超伝導機構の解明
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17H02915
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
小池 洋二 東北大学, 工学研究科, 名誉教授 (70134038)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 高温超伝導 / 銅酸化物 / ノンドープ超伝導 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
キャリアドープなしで生じる超伝導体（ノンドープ超伝導体）T'-La1.8Eu0.2CuO4におけるキャリアの起源については、(1)還元アニールによる酸素欠損によってCu3dx2-y2の上部ハバードバンドに電子がドープされているとする説と、(2)電荷移動ギャップが潰れて金属的になっているとする説がある。(1)か(2)のどちらが正しいかを決めるために、各種実験を行った。
まず、ノンドープ超伝導体にホールドープと電子ドープを行った結果、超伝導転移温度はドープ量に対してドーム状に変化し、スピンゆらぎによるペアリングを仮定した計算結果とよく一致することがわかった。次に、これらの試料でミュオンスピン緩和の実験を行った結果、磁気転移温度はホールドープによって低下することがわかった。また、電子ドープした試料についてNMRの実験を行った結果、いずれの試料も超伝導の対称性はd波であり、ドープ量の増加とともに反強磁性ゆらぎが抑制されていくことがわかった。これらの結果は(2)を支持するものであり、超伝導はスピンゆらぎによるd波の対称性を持っていると結論した。一方、ホールドープした試料について硬X線光電子分光とX線吸収の実験を行った結果、還元アニールによって電子がドープされ、LaのSr置換によってホールがドープされることがわかった。この結果からは(1)と(2)のどちらかを決めることはできなかった。
電子ドープされたT'-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4について角度分解光電子分光の実験を行った結果、超伝導の対称性はd波であることがわかった。また、T'-Pr1-xLaCexCuO4のオーバードープ領域についてミュオンスピン緩和の実験を行った結果、超伝導の消えるx=0.20ではスピン相関がかなり弱くなっていることがわかった。これらの結果により、この系の超伝導にはスピンゆらぎが効いていると結論した。
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| Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] d-wave superconducting gap observed in protect-annealed electron-doped cuprate superconductors Pr1.3-xLa0.7CexCuO42019
Author(s)
Horio M., Koshiishi K., Nakata S., Hagiwara K., Ota Y., Okazaki K., Shin S., Ideta S., Tanaka K., Takahashi A., Ohgi T., Adachi T., Koike Y., Fujimori A.
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 100
Pages: 054517/1-5
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nature of Carrier Doping in T′-La1.8?xEu0.2SrxCuO4 Studied by X-Ray Photoemission and Absorption Spectroscopy2019
Author(s)
Lin Chun, Horio Masafumi, Kawamata Takayuki, Saito Shin, Koshiishi Keisuke, Sakamoto Shoya, Zhang Yujun, Yamamoto Kohei, Ikeda Keisuke, Hirata Yasuyuki, Takubo Kou, Wadati Hiroki, Yasui Akira, Takagi Yasumasa, Ikenaga Eiji, Adachi Tadashi, Koike Yoji, Fujimori Atsushi
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 88
Pages: 115004/1-2
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Suppression of Antiferromagnetic Spin Fluctuations by Electron Doping in T’-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4 Probed by NMR2019
Author(s)
H. Fukazawa, YS. Lee, S. Kanamaru, M. Goto, Y. Kohori, A. Takahashi, T. Kawamata, K. Kawabata, K. Tajima, T. Adachi, Y. Koike
Organizer
東北大学金属材料研究所ワークショップ "Reseach Frontier of Advanced Spectroscopies for Correlated Electron Systems"
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[Presentation] Pseudogap behavior in T’-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4 (x = 0.10) probed by NMR2019
Author(s)
YS. Lee, S. Kanamaru, M. Goto, H. Fukazawa, Y. Kohori, A. Takahashi, T. Kawamata, K. Kawabata, K. Tajima, T. Adachi, Y. Koike
Organizer
Ito International Research Center Conference, The University of Tokyo & ISSP International Workshop "Spectroscopies in Novel Superconductors" (SNS2019)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 電子ドープ型高温超伝導体T’-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4+δの63,65Cu,139La-NMRII2019
Author(s)
Yongsun Lee, 渡井将希, 金丸周平, 後藤雅人, 深澤英人, 小堀洋, 高橋晶, 川股隆行, 川端公貴, 田島一輝, 足立匡, 小池洋二
Organizer
日本物理学会2019年秋季大会
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[Presentation] X線吸収微細構造解析によるLa1.8Eu0.2CuO4の電子状態に対するアニール効果の研究2019
Author(s)
浅野駿, 石井賢司, 松村大樹, 辻卓也, 伊奈稔哲, 齋藤真, 春原稔樹, 川股隆行, 小池洋二, 工藤康太, 藤田全基
Organizer
日本物理学会2019年秋季大会
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