2020 Fiscal Year Annual Research Report
直接観測に基づく衝撃波電子加速の実証的理論モデルの確立
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17H02966
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 孝伸 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00514853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松清 修一 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (00380709)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プラズマ / 粒子加速 / 宇宙線 / 衝撃波 |
Outline of Annual Research Achievements |
MMS衛星による地球バウショックの直接観測において実証された新たな電子加速モデル「統計的衝撃波ドリフト加速」の理論的な定式化を進め,衝撃波粒子加速における標準モデルのFermi加速と統計的衝撃波ドリフト加速の関係を明らかにした.両者は有限な幅を持つ衝撃波近傍における高エネルギー粒子輸送を記述する移流拡散方程式の定常解の特別な場合として統一的に理解でき,統計的衝撃波ドリフト加速はエネルギーの低い粒子について,Fermi加速はエネルギーの高い粒子について,それぞれ有効なモデルであると整理することができる.また,統計的衝撃波ドリフト加速とFermi加速の両者が自然に接続するようなパラメータが存在することも分かった.そのような条件が満たされるときには,低エネルギー(非相対論的エネルギー)から高エネルギー(超相対論的エネルギー)までの電子加速を矛盾なく説明することができ,これが長年の大問題であった電子注入問題の解として有効であることを示した.
また,高エネルギー粒子の加速には衝撃波近傍におけるプラズマ波動の存在が必須であるが,衝撃波のパラメータによってプラズマ不安定性の性質は大きく遷移する.特に振幅が大きく衝撃波の性質を大きく左右する反射イオン起源のプラズマ不安定性として,Alfven-Ion-Cyclotron (AIC)不安定性およびWeibel不安定性が知られていた.本研究では理論および数値シミュレーションを用いて,両者がマッハ数の大小によって連続的に遷移すること,またその遷移するマッハ数が20-40程度であることを明らかにした.これは地球バウショックではAIC不安定性が,超新星残骸衝撃波においてはWeibel不安定性が優勢となることを示唆する.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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