2019 Fiscal Year Annual Research Report
Facies model of a tide-dominated estuary revisited
Project/Area Number |
17H02980
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
齋藤 文紀 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (00357071)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | デルタ / エスチュアリー / 堆積 / 潮汐 |
Outline of Annual Research Achievements |
メコンデルタにおける河川・海洋遷移帯について,ベトナムにおいて,すでに取得していた河川地形データと河床から採取した堆積物の解析の結果,メコンデルタの河床地形や堆積物は,上流側と下流側で大きな違いがあり,河川地形では,川幅が一定で,下流に向かって水深が深くなり,河川の蛇行度が大きな上流部と,川幅が下流に向かって広く,また水深が浅くなり,蛇行度が小さく直線的な下流部に大別される.これらに対応して,堆積物は上流側では礫を含み,泥分をほとんど含まない砂からなり,下流部は砂泥細互層からなり,細粒な堆積物が卓越する.これらの特徴は,上流側が河川卓越の環境であるのに対し,下流側は潮汐卓越の環境であることを示している.メコンデルタで明らかになった潮汐卓越型の大規模デルタにおける河床地形の特徴について,ガンジス・ブラマプトラデルタ,長江デルタ,イラワジデルタ,フライデルタにおいて,同様の解析を行い,これらすべてについて同様の特徴があることを見出した.これらの結果については,Earth-Science Reviewsから出版された.また,ベトナムのドンナイ川における河床調査と,メコンデルタのバーライ放棄河道におけるボーリング調査を実施した.ドンナイ川における河川形状の特徴については, Frontiers in Earth Scienceに投稿し,2019年8月に出版された.堆積物との関係については,Marine Geologyに投稿した.また,メコンデルタの過去2千年間における海岸線の変化を,Scientific Reportsに投稿し,開析谷充填堆積物に関してはMarine Geologyに投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初研究対象としていたメコンデルタとその周辺域については,当初の計画通り研究が進捗している.これに加えて,見出した成果を世界を代表する他のメガデルタに適用した結果,同様の成果が得られ,その結果は,当該分野で最高に近い国際学術誌であるEarth-Science Reviewsから出版された.この成果は,潮汐卓越型の大規模デルタの維持管理や,土砂採取にも大きく貢献することから,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は最終年にあたり,これまでに取得したデータや試料のとりまとめを行う.特に,2018年度にベトナムのドンナイ川で採取した河床堆積物データのとりまとめと,ベトナムにおメコンデルタの放棄河道で行ったボーリング試料の解析を中心に行う.
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[Journal Article] Spatial and seasonal variability in grain size, magnetic susceptibility, and organic elemental geochemistry of channel-bed sediments from the Mekong Delta, Vietnam: implications for hydro-sedimentary dynamic processes2020
Author(s)
Jiang, Y., Saito, Y., Ta, T.K.O., Wang, Z., Gugliotta, M., Nguyen, V.L.
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Journal Title
Marine Geology
Volume: 420
Pages: 106089
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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