2017 Fiscal Year Annual Research Report
星間雲におけるC-H系分子誕生と複雑有機分子への進化
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17H02993
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中野 祐司 立教大学, 理学部, 准教授 (20586036)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イオン蓄積リング / 中性ビーム / 原子ビーム / 低エネルギー衝突 |
Outline of Annual Research Achievements |
理化学研究所の極低温型イオン蓄積リングRIKEN Cryogenic Electrostatic ring (RICE)を用いて,星間雲におけるC-H系分子誕生と複雑有機分子への進化過程に関する実験的研究を行うことを目的とし,合流ビーム実験セットアップの開発を遂行した。平成29年7月に中性ビーム生成のための負イオン源および大強度ダイオードレーザーを含むビームラインを立教大学へ移設し,オフラインでの開発をスタートした。レーザーによる負イオンビームの光電子脱離効率を大幅に向上させるためのマルチパス光学系を設計し,レイトレーシングソフトウェアZEMAXを用いたシミュレーションを行った。光学系について基本設計は完了し,プロトタイプ製作のためにミラー材質や表面精度,冷却機構等の詳細設計を継続して実施中である。 移設後のセシウムスパッタイオン源の立上げを行い,6 -14 keVの範囲で炭素負イオンビームの引き出しと輸送の試験を行った。セクター電磁石による質量分析において炭素負イオンC-および炭素クラスター負イオンCn- (n=2-9)が観測され,クラスターサイズnの偶奇に異存したイオン強度の変化が見られた。一方で現在のイオン源運転条件下では,炭化水素負イオンは観測されていない。 また,エネルギー8 keVの炭素負イオンビームを用いて光電子脱離による中性化のテスト測定を行った。ワンパス光学系にて数kWのレーザー照射を行い,nA相当の中性炭素ビームの生成を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者の異動にともなって研究拠点を変更した関係で,実験装置の運搬や研究環境のインフラ整備に一定の時間を費やす必要があったため,研究課題の進捗状況は当初計画よりやや遅れている。既に研究環境の整備は完了したので,次年度以降は計画通りに研究を遂行可能な見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に遅れのでている箇所について,研究分担者を追加して重点的に進める。 これと同時に,当初計画に沿った研究については卒研生,大学院生とともに着実に遂行していく。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] 超伝導カロリメータを用いた低温下の星間分子計測実験(1)2018
Author(s)
山田真也, 岡田信二, 東俊行, 久間晋, 中野俊男, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W.Fowler, J. Hays-Wehle, G. Hilton, G.C. O'Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, J.N. Ullom , 橋本直, 早川亮大, 一戸悠人, 石崎欣尚, , 中野祐司, 竜野秀行, 野田博文, 上田周太朗
Organizer
日本天文学会2018年春季年会
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[Presentation] 多素子超伝導遷移端マイクロカロリメータの中性分子質量分析応用2017
Author(s)
岡田信二, 東俊行, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W. Fowler, 橋本直, 早川亮大, J. Hays-Wehle, G. Hilton, 一戸悠人, 石崎欣尚, 久間晋, 中野俊男, 中野祐司, 野田博文, G.C. O’Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, 竜野秀行, 上田周太朗, J.N. Ullom, 山田真也
Organizer
原子衝突学会第42回年会
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[Presentation] 分子検出に向けた多素子TESマイクロカロリメータの性能評価2017
Author(s)
岡田信二, 東俊行, D.A. Bennett, W.B. Doriese, J.W. Fowler, 橋本直, 早川亮大, J. Hays-Wehle, G. Hilton, 一戸悠人, 石崎欣尚, 久間晋, 中野俊男, 中野祐司, 野田博文, G.C. O’Neil, C.D. Reintsema, D.R. Schmidt, D.S. Swetz, 竜野秀行, 上田周太朗, J.N. Ullom, 山田真也
Organizer
日本物理学会2017年秋季大会
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