2019 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属ナノクラスターイオンビームの高輝度化とストイキオメトリ結晶成長への応用
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17H02997
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 智 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40294029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 孝江 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80201606)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機金属分子 / イオンビーム / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高精度で質量分離可能な現有の低エネルギーイオンビーム装置を用いて、有機金属ナノクラスターイオンビームを生成すること、さらに、これを基板に照射することによりストイキオメトリ結晶の成長を試みることを目標としている。また、膜質の改善のため、装置に小規模な改造を加え、このイオンビームを高輝度化することも研究目的としている。 本年度は、ヘキサメチルジシランから、SiCH3+のイオンビームを生成し、シリコン基板に照射した。イオンエネルギーは20, 100, 200eVとし、基板温度は800℃とした。実験終了後に、基板上にできた膜の分析を行ったところ、いずれの場合にも基板上に3C-SiCを確認した。XPSにより組成分析を行った結果、いずれの場合もC/Si~1であった。ただし、200eVの場合のみ、ラマン分光法により、3C-SiCに加えてダイヤモンドライクカーボンも確認された。また、AFMにより各膜の表面分析を行った結果、100eVの場合にその表面が最も平坦であることが分かった。 次に、ヘキサメチルジゲルマンを解離してできるフラグメントイオンのうち、GeCHx+イオンを抽出し、これを基板に照射することによりGeCの成膜を試みた。イオンビームエネルギーは、10, 20, 30, 100eVとした。また、基板温度は室温とした。その結果、10, 20eVではアモルファスのGeC膜ができるが、30, 100eVの場合、イオンビームが基板に衝突する際にGe-C結合が切れてしまうことが分かった。20eVの場合でも、基板温度を300℃に設定すると、Ge-C結合が切れてGeの金属膜が形成された。 これらの実験に加えて、これまでのフリーマン型イオン源に代えてバーナス型イオン源を用いることにより、イオンビームを高輝度化することにも成功した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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