2019 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素化合物による新芳香環構築反応の機構解明と機能材料開発
Project/Area Number |
17H03020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄子 良晃 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40525573)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | π共役分子 / π共役高分子 / ホウ素 / 9-ボラフルオレン / アルキン / 芳香環構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、9-ボラフルオレン誘導体を用いたアルキンの芳香環化反応を利用し、クロスカップリングのみでは合成が困難な、多彩かつ特徴ある3次元骨格や湾曲・拡張構造を有するπ電子系分子・高分子群を創製し、新たな機能を探求することを目的とした。前年度までに、鍵ステップである (1) 9-ボラフルオレンによるアルキン誘導体の1,2-カルボホウ素化反応および (2) それにより生成するボレピン誘導体の酸化的脱ホウ素化・炭素-炭素結合形成反応の詳細な機構を明らかにすることができた。得られた成果を取りまとめ、総説として出版した(有機合成化学協会誌, 2020年3月号, pp. 190-203)。令和元年(平成31年)度は、これまでの研究過程で見出した、 9-ボラフルオレンと歪みアルキンを用いた連続的1,2-カルボホウ素化反応によるπ共役マクロサイクルの構築に関して取り組んだ。具体的には、環歪みにより活性化されたシクロオクチンを用いた場合、 9-ボラフルオレンのホウ素-炭素結合に対して複数のシクロオクチン分子が挿入し、9員環以上の含ホウ素π共役マクロサイクル化合物が生成する。その際、 ホウ素原子上にCl基が導入された9-ボラフルオレン誘導体を用いた場合には、シクロオクチン3分子が挿入された11員環化合物が生成した後、転位反応によって炭素-ホウ素-炭素架橋構造を有する10員環化合物が生成する一方、ホウ素原子上に電子供与性のアルコキシ基が置換した9-ボラフルオレン誘導体を用いた場合には、転位反応が抑制され11員環以上のマクロサイクル化合物が生成する。さらに、得られた含ホウ素π共役マクロサイクル化合物中のホウ素基を活性化することで、これまでに類例のない炭素-炭素結合開裂/形成反応を経て3次元的な炭素骨格が形成することを見出した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)