2018 Fiscal Year Annual Research Report
飽和炭化水素アルカンガスを選択的に吸着する多孔性金属錯体の合成と機構解明
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17H03026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野呂 真一郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (70373347)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 炭化水素ガス / 吸着分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでとは全く異なる戦略“多孔性骨格を非芳香族配位子・ゲストで構築し、アルケンの二重結合の寄与を極力無くす”により、不飽和炭化水素アルケンよりも飽和炭化水素アルカンを選択的に吸着する多孔性金属錯体を系統的に合成し、その選択性発現の機序を構造・吸着特性評価によって明らかにするとともに材料設計指針を提出し、機能開拓を進めることが本研究の目的である。構造自由度の高い金属錯体を基盤物質に据え、①非芳香族部位から構築される細孔壁面を有する多孔性金属錯体を分子設計し合成する、②アルカンガスと非芳香族性細孔壁面との間に相対的に強い分子間vdW相互作用を発現させる、③その結果、高選択的アルカン吸着を実現させる、という指針の下、研究を進めた。 本年度は昨年度確立した合成経路を利用して非芳香族部位パーフルオロアルキル基を有する有機配位子の大量合成および多孔性配位高分子の合成とその構造・機能評価を行った。非芳香部位を有する有機配位子と有しない有機配位子を様々な比で含む多孔性配位高分子は、すでに構造決定されている非芳香部位を有しない有機配位子のみを含む多孔性配位高分子と同様の多孔性構造をもつことが粉末X線回折測定の結果から明らかとなった。また、低温窒素吸着測定を行い、非芳香部位を有する有機配位子の含有率が高くなるに従い比表面積が減少することが分かった。室温におけるプロパン、プロピレン吸着特性評価を行ったが、期待していたアルカン=プロパンの選択的吸着挙動は観測できなかった。また、別の有機配位子として非芳香族部位アルコキシル基を有する新規有機配位子の合成経路を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルカン選択吸着の実現のため、非芳香族部位であるパーフルオロアルキル基及びアルコキシル基を導入した有機配位子の合成経路を確立した。また、得られた有機配位子を用いて多孔性配位高分子の合成にも成功した。まだ高選択的アルカン吸着を見いだすには至っていないが、残りの期間で他の多孔性配位高分子を合成し、他の炭化水素ガスの吸着特性評価を進めることにより目標達成が期待できることから、研究はおおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、①非芳香族部位パーフルオロアルキル基を有する多孔性配位高分子について、他の炭化水素(C2およびC4炭化水素)の吸着特性を調べ、高選択的アルカン吸着能の検討を行う、②非芳香族部位パーフルオロアルキル基を有する有機配位子を有する他の多孔性配位高分子[M2(OOC-R-COO)2(dabco)]n (M = 金属イオン、dabco = 1,4-diazabicyclo[2.2.2]octane)を合成する、③非芳香族部位アルコキシル基を有する新規有機配位子のグラムスケールの大量合成を行うとともに、得られた有機配位子と種々の金属塩を組み合わせることにより、安定な多孔性配位高分子を合成する。高選択的アルカン吸着特性を示す多孔性配位高分子が見つかった場合、吸着エネルギーの精査、計算による吸着構造の解析、本予算で導入した質量分析計を活用して流通系混合ガス分離測定から真の分離特性の評価を行い、非芳香族部位と吸着特性との相関を解明する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Incorporation of Multinuclear Copper Active Sites into Nitrogen-Doped Graphene for Electrochemical Oxygen Reduction2018
Author(s)
Masaru Kato, Marika Muto, Naohiro Matsubara, Yohei Uemura, Yuki Wakisaka, Tsubasa Yoneuchi, Daiju Matsumura, Tomoko Ishihara, Takashi Tokushima, Shin-ichiro Noro, Satoru Takakusagi, Kiyotaka Asakura, and Ichizo Yagi
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Journal Title
ACS Appl. Energy Mater.
Volume: 1
Pages: 2358-2364
DOI
Peer Reviewed
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