2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functional Self-Assembled Membranes with Structural Rigidity and Flexibility
Project/Area Number |
17H03036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原野 幸治 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (70451515)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミセル化剤 / 界面活性 / 分散剤 / フラーレン / カーボンナノチューブ / 磁性粒子 / 両親媒性分子 / 分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
界面活性剤の二大機能は気液・液液界面への吸着による界面活性の発現と,液相および固液界面でのミセル形成による可溶化であり,それぞれ重要な応用用途がある.一方で界面活性作用によって引き起こされる泡立ちは工業プロセスにおいてしばしば問題となることから,ミセル化能のみを維持し界面活性を抑えた材料が望まれている.しかし,そのような界面不活性のミセル化分子は両親媒性高分子においてわずかに報告例があるのみであり,特にその分子構造と非界面活性発現の相関については不明であった.我々は,五重付加型[60]フラーレン骨格を有する両親媒性分子を用いた分子膜研究の形成を進める中で.周縁部にイオン性親水基を有するコーン型両親媒性分子(Conical Fullerene Amphiphile, CFA)が,水中でmicroMオーダーの臨界ミセル濃度を持つ優れたミセル化分子である一方で,高濃度においても気液・液液界面を示さない,両親媒性低分子として新しい性質を示す化合物であることを見いだした.本研究では,親水基の種類や骨格を変えた一連のCFAの界面活性とミセル化能を系統的に調べることにより,コーン型の分子骨格と密に配列したイオン性親水基が協同的に作用して界面におけるGibbs単分子膜の形成を抑制し,液中におけるミセル化の高効率化に寄与していることを明らかにした.さらに,CFAの優れたミセル形成能を活かし,磁性粒子やカーボンナノチューブ等のナノカーボン材料をわずかな添加量で水中に分散させる事にも成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的である分子膜開発を行う過程で,フラーレン両親媒性分子の界面活性というこれまで着目されていなかった性質に着目し研究を進めた結果,界面活性をもたないミセル化分子という従来にない機能をもった分子を発見するに至った.フラーレン分子が極めて高い自己集合能を持つことを示す結果でもあり,今後の分子膜デザインにも活用できる重要な知見である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初目的である疎水性側鎖を有する三元型フラーレン両親媒性分子をモチーフとした分子膜の形成と機能開拓を進めると同時に,コーン型両親媒性分子の自己集合機能をさらに開拓し,生体応用を視野に入れて研究展開する.
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Research Products
(9 results)