2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ambient pressure-induction of high pressure organic synthesis with in-pore super high pressure effect
Project/Area Number |
17H03039
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
金子 克美 信州大学, 先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料科学研究所, 特別特任教授 (20009608)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 義之 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (20456495)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ナノ細孔空間 / ナノ細孔分子場 / 単層カーボンナノチューブ / 高圧反応 / フタロシアニン / 結晶成長 / 結晶核 / 細孔性グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)については、結晶化度に優れたeDIPS法(CVD法)から調製したチューブ径が2nmを用いた。これらについてラマン分光測定、X線回折測定、77Kでの窒素吸着などによって、結晶化度、バンドル状態、細孔構造、開口状態などを明らかにした。更に酸化グラフェンコロイドとKOH混合分散系を高温加熱・賦活して、洗浄後の表面積が2000 m2/g程度で、スリット型細孔を有するナノ細孔性グラフェンを創製した。これらについてもSWCNTと同様なキャラクタリゼーションを行った。超高圧有機合成反応の常圧化:反応物質が十分にチューブ内に入りうる直径の大きなSG-SWCNTから開始する。まず予備実験がなされている銅フタロシアニンの1万気圧の加圧が必要な高圧反応(S.Edmondson, 等J. Chem. Soc. Dalton Trans. 1990)を、オートクレーブを用いずに、反応液にSG-SWCNTを添加して反応を行った。大量合成を行うために、高圧下で安定な結晶核をナノチューブ空間から超音波照射によって、バルク反応液へと取り出し、大量の銅フタロシアニンを合成できるルートを確立した。銅フタロシアニンは青色の固体試料なので反応の進行は目視で実施し、生成物の確認は、光スペクトルおよび質量分析法などによって行った。また、細孔内での結晶核生成を明確にするために、反応途中でのナノチューブ内の結晶核が見える試料を、電子顕微鏡によって探索し、原子スケールでのフタロシアニン結晶核と確認できそうな試料を創製した。 更にナノダイヤモンドがナノ細孔を有することを明示し、これもまた異なる反応場を提供できると期待できる。さらに1nmスケールのカーボン細孔場中の詳細な分子間構造の決定法を確立したので、この課題に適用可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細孔性グラフェンの創製が順調に進捗した。高圧反応で生成するフタロシアニン生成それも100mgオーダーの大量合成に成功した。また、超高分解能電子顕微鏡写真撮影用の単層カーボンナノチューブ内のフタロシアニン結晶核試料の調製に時間を要したが、漸く適した試料を得た。今後その電子顕微鏡写真撮影を実施する。これが進むと本質的な課題の理解に進むことができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
銅フタロシアニン反応を精細に検討する。特に単層カーボンナノチューブ内でのフタロシアニン結晶核の直接観察を超高分解能電子顕微鏡で行い、高圧反応がナノチューブ空間中で起こっていることをナノレベルで実証する。SWCNTとナノグラフェンを用いて、細孔の形状の差異と合成条件の違いによるフタロシアニンの収率、結晶化度と純度との関係を明確にする。これらの生成物についてはラマン分光、透過電子顕微鏡観察、光吸収スペクトル、X線回折,シンクロトロンX線小角散乱などを用いて、入念なキャラクタリゼーションを実施する。それらの検討後に常圧下での反応進行の最終確認を行う。 液体のtrans-cyclohexanediol が白色固体1,2-epoxycyclohexane に変わる反応も1万気圧下で起こる(Y. Kotsuki 等,High pressure-promoted uncatalyzed hydrolysis of epoxides.Tetrahedron Lett. 34, 4031-4034 (1993))。この反応についても銅フタロシアニンと同様に実験を進める。
|
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Water adsorption property of hierarchically nanoporous detonation nanodiamonds2017
Author(s)
E.-Z. Pina-Salazar, K.Urita, T. Hayashi, R. Futamura, F. Vallejos-Burgos, J. Wloch, P. Kowalczyk, M. Winiewski, T. Sakai, I. Moriguchi, A. Terzyk, E. Osawa, K. Kaneko
-
Journal Title
Langmuir
Volume: 33
Pages: 11180-11188
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-