2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel 3-dimensional pi-conjugated compounds designed for creation of unique space
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17H03042
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
荒谷 直樹 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60372562)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機化学 / 物性 / アセン / 有機半導体 / 分子性グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、「斬新な機能性立体π共役系の構築」を目指し、構造の明確な、分子として取り扱うことのできる真に新しいナノカーボンマテリアルの科学を探究する。これまでにない巨大な立体的π共役系をもつ多環芳香族炭化水素(PAH)の合成戦略および合成ルートを確立し、その物性を厳密に原子レベルで構造解析・評価する。これが同時にπ共役系に囲まれた「空間」をデザインしていることを意識し、層間あるいは閉じた空間など、壁の内側の空間も利活用する。 ベンゼン環からナノグラフェンをボトムアップ的に合成することが盛んに研究されている。本研究では更に進んで、世界でまだ誰も提唱していない分子性グラファイトを有機化学的に合成する。 これまで合成に成功しているペリレン(C20ユニット)からヘキサベンゾコロネン(C24ユニット)へとπ共役平面を拡大したユニットを、1,8-ナフタレン架橋により共有結合的に積層した。生成した2種類のatropisomerはbucky prepを用いてsyn体anti体として分離した。結晶構造解析にも成功し、特にanti体においてはこれまでの炭素シートにはない角度のついた重なり方をしており非常に興味深い。今後、原子レベルで構造の明確な分子性グラファイトを用いてグラフェン層間へのリチウムイオンの挿入脱離を調査し、その酸化還元性能を評価する。さらに、層間に金属カリウムを貫入させ、カリウムグラファイトのモデル化合物として還元能力などを調べる。 さらにチューブ状分子の合成にも着手した。これまでにほとんど合成例のないzigzag型カーボンナノチューブのボトムアップ合成に挑戦した。縦方向にベンゼン環を導入してシクラセン共役系を回避し、安定性を確保している。ピレンの反応性を利用して環状8量体まで合成に成功した。最後は酸化によって共役系を完成させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
巨大な環状化合物であるピレン8量体(分子式C160H128)を、ピレンモノマーから1ステップで一気に合成することに成功し、単結晶X線構造解析にも成功した。残りはただ酸化縮環ステップのみである。
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Strategy for Future Research Activity |
分子性カーボンナノチューブの合成まであと1ステップのところまで到達している。今後は環状ピレン8量体合成のスケールアップと酸化的縮環反応の条件検討をする。予備的な検討では単純な酸化剤では縮環が進行しなかったため、大量合成による前駆体の確保ののち各種酸化剤を検討する。
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Research Products
(19 results)