2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Novel Chiral Dinuclear Complexes for Catalytic Asymmetric C-H Bond Functionalization
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17H03049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松永 茂樹 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (50334339)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不斉触媒 / 複核触媒 / 不斉配位子 / C-H活性化 / 不斉合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の検討結果を踏まえ、銅-パラジウムの組み合わせを基盤とする複核シッフ塩基触媒について重点的に検討を進めた。分子内アリル位C-Hアミノ化反応を引き続き触媒評価に利用することとし、基質について、昨年度の末端アルケンを有する基質ではなく、内部アルケンのアリル位C-H活性化が可能かどうかについて評価をおこなった。その結果、ラセミ反応においてもっとも優れた触媒の一つとされるWhite触媒では極めて低い反応性にとどまる内部アルケンのアリル位についても全く問題なく活性化できることがわかった。また、アミノ化反応のエナンチオ選択性について評価したところ、90:10のエナンチオマー比で生成物が得られることがわかった。当初の想定と異なり、ジアミンについてはアキラルなエチレンジアミンが最適であり、キラルスルホキシドのみのキラリティで良好な選択性を得ることが出来た点は興味深い。 一方、ジアミンを変更すると大きく触媒構造が変化することから、金属の組み合わせについても再度、検討を行ったが、やはり銅とパラジウムの組み合わせが最適であった。第一列遷移金属の選択が、エナンチオ選択性に大きく影響している原因を明らかとするべく、種々のシッフ塩基錯体のX線結晶構造解析を行った。その結果、内部に組み込む金属の種類によって、触媒中に2つ存在するキラルスルホキシド部の距離が大きく変化することが判明した。キラルスルホキシドの片方が主として機能している可能性が示唆されたため、最終年度では、構造活性相関を含め詳細な検討を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目までの検討により、最高90:10のエナンチオ選択性でアリル位C-Hの触媒的不斉アミノ化に成功した。当初計画した複核シッフ塩基型配位子により様々な不斉環境を生み出すというコンセプトがうまく機能することを証明することができたと考えており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には、これまでに開発してきた独自触媒について徹底した最適化を実施し、成果のとりまとめを実施する。複核シッフ塩基触媒型の研究に加え、当初の計画であったコバルト触媒やロジウム触媒による不斉活性化についても検討していく。
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Research Products
(8 results)