2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and dynamic function of helical substances at the oligomer, molecular aggregate, and molecular assembly levels
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17H03050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 薬学研究科, 教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷井 沙織 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20792295)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ラセン分子 / ヘリセン / オリゴマー / 二重ラセン / 非平衡 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はキラルなラセン構造に着目して,小分子,オリゴマー分子,分子会合体,分子集合体の順に物質階層ボトムアップを行なう合成方法論と不均一溶液系における動的機能の探索を目的とする.ラセン物質の新しい構造と機能が解明されるとともに,分子レベルとバルクレベル物質を関連させる新しい学術分野と機能発現の開拓が期待できる.特に, 1)機械的的刺激応答, 2)熱応答, 3)可逆的異方性繊維構築, 4)遷移金属触媒反応を検討する.
1. 二重ラセン会合体の分子集合体合成---ヘテロ二重ラセン会合体が繊維状に集合体形成して網目構造の中に溶媒が取り込まれてゲル化し,リオトロピック液晶ゲルを形成した.この現象について詳細を調べた.また水溶性二重ラセン化合物による水・有機溶媒混合比に関して不連続な現象を見出した.あわせて,非平衡系の熱応答における新しい化学反応現象を見出した. 2.二重ラセン会合体分子集合体の性質と機能---リオトロピック液晶ゲルから溶媒を取り除くと,センチメートルサイズの均一で異方的なフィルムを与える.これはマランゴニ効果によることを示した.また,貧溶媒中に射出するとセンチメートル長の異方的繊維を与えた.これは異方性物質を合成する新しい方法論である. 3.不均一溶液中におけるラセン分子集合体の動的機能---機械的攪拌によるキラル対称性の破れ現象を見出した.また,水溶液中におけるリポソームの熱応答と形状変化を検討した,ラセンオリゴマー関連物質を合成するための遷移金属触媒反応を開発した. なお,ヘリセン誘導体の酵素阻害活性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)機械的的刺激応答, 2)熱応答, 3)可逆的異方性繊維構築, 4)遷移金属触媒反応のいずれについても新規な現象とそれらを説明するための新しい概念を提示した.従来知られていなかった二重ラセン化合物の化学を広範に展開した. なお,当初予想していなかったが,合成中間体に利用していたヘリセン誘導体に酵素阻害活性が認められた.これは脳疾患の治療に利用できる可能性がある.
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Strategy for Future Research Activity |
ヘリセンオリゴマーによる自己触媒的な増幅を含む可逆的な非平衡化学反応の研究を進める.これによって従来認められなかった化学反応の新しい現象を見出すことができる. ヘリセンオリゴマーのヘテロ二重ラセン複合体は複合間相互作用によって様々な環境応答性の自己組織化物質を与えることがわかってきた.これによって分子レベルとバルクレベルを合理的に繋げることのできる新しい化学を展開する. ヘリセン誘導体の酵素阻害活性についてラセン不斉の効果を検討する.タンパク質とヘリセンが相互作用する興味深い系である.
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Research Products
(9 results)