2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Anhydrous Proton-Conducting Liquid-Crystalline Polymer Membranes and Their Application in Fuel Cells
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17H03064
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉尾 正史 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 独立研究者 (60345098)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 液晶 / ナノ構造 / 分子配向 / 光架橋 / 高分子フィルム / プロトン伝導 / 燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次元プロトン伝導性を示す高分子フィルム電解質の開発を目指して、イミダゾリウムスルホベタイン型の双性イオン構造を有する扇形分子構造の新規光重合性分子を設計・合成した。イミダゾールとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸との中和反応によって得られるプロトン性イオン液体と重合性双性イオン分子からなる新しい複合体を作製し、それらの液晶性を偏光顕微鏡観察、示差走査熱量測定、X線回折測定によって評価した。プロトン性イオン液体のモル比が40ー60モル%の複合体は、15wt%の水分子存在下で、室温でヘキサゴナルカラムナー液晶相を発現することを見出した。液晶場で紫外線照射することにより、配向液晶構造が固定化された機械的に安定な自立性高分子フィルムを得ることに成功した。これらの高分子フィルムのイオン伝導度を交流インピーダンス測定によって評価した。プロトン性イオン液体の含有率の高い高分子フィルムほどプロトン伝導度が高くなり、室温で10-3 S cm-1レベルの高イオン伝導度が達成された。伝導度の温度依存性から活性化エネルギーは、約10 kJ mol-1と見積もられ、Grotthuss機構によるプロトン伝導が示唆された。一方、モノマー複合体を液体状態で重合することによって得られるアモルファス高分子フィルムは、カラムナー液晶構造を固定化した高分子フィルムよりも約100ー1000倍低い伝導度を示し、活性化エネルギーは2倍に上昇した。これらの結果は、高分子フィルム内部に形成された一次元的なプロトン伝導チャンネル構造が高効率なプロトン伝導パスとして機能していることを示している。本研究では、プロトン伝導媒体として双性イオンからなる一次元チャンネル構造を形成するカラムナー液晶材料を構築する新しい手法を確立した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)