2017 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内温度計測技術を基盤とする細胞レベルの生命機能および病態化の解析
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17H03075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 聖一 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (10401225)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光 / 温度 / 細胞 / 分析 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 新規カチオン性ラジカル重合開始剤の合成と蛍光性温度センサーの無毒化:世界初となるカチオン性ラジカル重合開始剤(2,2'-azobis-[2-(1,3-dimethyl-4,5-dihydro-1H-imidazol-3-ium-2-yl)]propane triflate, ADIP)を合成し、これを用いて蛍光性温度センサーを合成した。得られたカチオン性蛍光センサーを用いて、動物培養(HeLa, HEK293T, MOLT-4)細胞への導入実験を行い、導入効率、温度応答性、毒性の各種評価を行った。この結果を原著論文としてAngew. Chem. Int. Ed.誌へ投稿し、掲載が決定された。 (2) 褐色脂肪細胞の分化と熱産生能の関係解明:褐色脂肪細胞は、健康機能の維持や肥満解消に深く関係すると考えられており、その代謝活性と熱産生の関係に興味が持たれている。そこで、ラットより摘出した前駆脂肪細胞を培養しながら成熟させ、細胞内温度を計測したほか、脱分極剤(FCCP)およびベータアドレナリン受容体の活性化剤(ノルエピネフリンおよびCL316.243)を添加した際の細胞内温度変化を計測し、分化の程度と細胞内温度との関係を調べた。これらの結果を第38回日本肥満学会にて学会発表したほか、原著論文としてSci. Rep.誌にて発表した。 (3) 蛍光性温度センサーの普及を目的として金沢大学薬学シンポジウム2017にて本研究分野をまとめた招待講演を行ったほか、Chem. Commun.誌に依頼総説を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した項目を順調に検討しており、その成果を原著論文、招待講演、依頼総説の形で報告できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
特に問題は生じていないため、当初の研究計画調書に従って本課題を推進する。
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