2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of 3D micro spectroscopic XRF imaging method
Project/Area Number |
17H03080
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
辻 幸一 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30241566)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蛍光X線分析 / 元素イメージング / 波長分散型分光器 |
Outline of Annual Research Achievements |
波長分散型の蛍光X線イメージ分光器の小型化を実現すべく新規設計を行い、試作を行なった。試作機では試料と分光結晶間の距離は従来の218mmから56mmへ、分光結晶からX線カメラまでの距離は従来の240mmから115mmへと大幅な小型化に成功した。その結果、空間分解能は従来の約1000mmから278mm-844mmへの大幅な改善を達成できた。実試料としてプリント電子基板を測定対象としてCu, Auなどの蛍光X線分布像を数10秒で元素イメージングできることを実証できた。この手法では目的元素毎に回折角度を変える必要があるが、測定元素が決まっている場合には大変有効な元素イメージング手段となる。 エネルギー分散型の蛍光X線イメージングについても研究を進め、大面積での多元素同時イメージングを実証し、特に、空間分解能の向上が図れた。プリント電子基板に適用した例では13mmx13mmの視野に対して、Ti, Cu, Brなどに対して20-30分程度で元素イメージを得ることができた。1次X線の入射角を斜入射角度に設定することで、表面敏感な元素イメージングを可能とした。なお、蛍光X線イメージングに圧縮センシングの情報処理過程を付与し、実測の低解像画像から本来の姿に近い高解像画像を得るプロセスを考案し、この実証実験にも成功した。 並行して、拡大型のポリキャピラリー光学素子の仕様決めを行い、製作企業との打ち合わせを終えて納品に至った。この光学素子をエネルギー分散型の蛍光X線イメージング分光器に取り付ける治具を設計試作し、視野拡大仕様に関して性能評価を行なった。試料と光学素子の間隔を変えることにより、分析視野が変化することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はX線検出器の不具合が生じたがX線カメラの新規購入を終え、今年度は遅れていた視野拡大型のポリキャピラリー素子の仕様決めと発注購入を終えた。蛍光X線イメージング分光器の試作も終え、ポリキャピラリー素子を取り付けての性能評価を行いつつある。このように計画通りに順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて蛍光X線顕微分光イメージングの実証実験を加速していく。成果の発信と取りまとめにも注力していく。
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