2017 Fiscal Year Annual Research Report
Academic Systematization of Separation Analysis Based on Phase Separation Multiphase Flow and Its Practical Technical Improvements
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17H03083
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| Research Institution | Doshisha University |
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Principal Investigator |
塚越 一彦 同志社大学, 理工学部, 教授 (60227361)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 相分離混相流 / 二相分離混相流 / 微小領域 / 液液界面 / PEG/デキストラン / クロマトグラフィー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
「相分離混相流」を様々な二相分離混合溶液で確認し、創出メカニズムを体系的に調べた。これまで主に使用してきた水-親水性／疎水性有機溶媒三成分混合溶液以外に、新たな二相分離混合溶液を取り上げ、「相分離混相流」に関わる情報のデータベース化を進めた。例として、PEG/デキストラン混合溶液を使った場合の「相分離混相流」創出について述べる。まず、PEG/デキストランの各濃度水溶液において、相図を作成し、50℃（均一一相）から25℃（不均一二相）に相変化させた時の上相/下相体積比を調べた。次に各PEG/デキストラン混合溶液をキャピラリーチューブに送液し、チューブを温度調整した。顕微鏡-CCDカメラを使って、チューブ内の流体流れを観察した。他の混合溶媒についても、相図作成、上相/下相体積比の確認、流れの画像観察を試みた。
様々な二相分離混合溶液について、密度、粘度、表面張力、接触角等を測定しながら、相分離混相流の発生メカニズムを調べてた。さらに、流れの条件、流れ特性（慣性力、粘性力等）、無次元数（ウエバー数、レイノルズ数等）、粘性散逸法則、二相混相流の線形安定性解析等の流体力学の視点から考察を深め、学術的視点からの体系化を試みた。
擬似固定相を利用するキャピラリークロマトグラフィーを、実用性を意識しながら装置の技術改良を行なった。現在のキャピラリークロマトグラフィーは、マイクロシリンジポンプ、キャピラリーチューブ、キャピラリー用に改良した吸光検出器から、構成されている。試料の注入は落差法によって行っている。いわゆるhome-madeの分析システムであり、研究仕様として有利性もあるが、汎用性の視点からは問題が残っている。よって、一般仕様レベルを意識した汎用性の高いシステムへの改良を試みた。手始めとして、液体クロマトグラフィーシステムと中空キャピラリー分離カラムを組み合わせた分離手法を検討した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の実施計画として、以下の３項目を挙げていた。（１）「相分離混相流」に関する学術的な体系化、（３）「スラグ流クロマトグラフィー」の提案・開発、および（３）擬似固定相を利用するキャピラリークロマトグラフィーの一般仕様レベルへの技術改良の立ち上げ。項目の（１）と（３）については、学術論文発表（投稿中を含む）の段階まで研究を遂行できたが、項目（２）については、補足データを取りつつ、研究をまとめている段階にある。
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| Strategy for Future Research Activity |
様々な二相分離混合溶液を使った「相分離混相流」の実験データに基づき、擬似固定相を利用する「環状流キャピラリークロマトグラフィー」の特性、有用性および将来性について調べ、学術的視点から体系化する。擬似固定相を利用するキャピラリークロマトグラフィーにおける溶質の分離は、溶質の移動相と擬似固定相との間の分配に基づくものと考える。よって、通常のクロマトグラフィーと同じように、キャパシティーファクター、分配比、溶出時間、分離度、理論段数、理論弾相当高さ等を、種々の擬似固定相を有するキャピラリークロマトグラフィーにおいて調べる。
「環状流キャピラリークロマトグラフィー」と同様に、「スラグ流キャピラリークロマトグラフィー」に関しても、分離メカニズム、分離性能、発展性、分析条件、分析対象物の拡張（遺伝子、環境ホルモン、腫瘍マーカーなど）等について検討する。これらのキャピラリークロマトグラフィーは、クロマトグラフィーに必須であった固定相の概念を覆すものであり、これまで報告してきた実験データに、理論的背景を付加し、学術的視点から体系化していく。
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