2017 Fiscal Year Annual Research Report
テロメアRNA構造と反応性及びそれを活用したテロメアを標的とする新規癌治療の開発
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17H03091
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
徐 岩 宮崎大学, 医学部, 教授 (40506763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 哲也 九州大学, 医学研究院, 教授 (10173014)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RNA高次構造 / クリック反応 / 癌治療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度には、in vitroでハロウラシルを導入した四重鎖RNAモデル系の光反応について評価し、細胞での構造を解析するために必要なデータを収集し、そしてこれらを基盤として、細胞内のテロメア四重鎖RNAの検出に展開する。研究成果としてRNA二量体四重鎖構造を形成することを世界に先駆けて明らかにした (JACS. 139, 2565, 2017; Sci. Rep. 7, 6695, 2017)。さらに逆平行型RNA四重鎖構造を発見した(Chem. Commun. 54, 3944, 2018)。また、19F-NMR による細胞内のテロメアRNA分子構造の解明に成功した (Nucleic Acids Res. 45, 5501, 2017; Nature Protocols 13, 652, 2018)。さらに、テロメアRNAとタンパク質相互作用の解明に成功した (JACS. 139, 7533, 2017; Molecules 23, 237, 2018)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)RNA二量体四重鎖構造を形成することを世界に先駆けて明らかにした (JACS. 139, 2565, 2017; Sci. Rep. 7, 6695, 2017)。 (2)逆平行型RNA四重鎖構造を発見した(Chem. Commun. 2018 , 54 , 3944)。 (3)19F-NMR による細胞内のテロメアRNA分子構造の解明に成功した (Nucleic Acids Res. 45, 5501, 2017; Nature Protocols 13, 652, 2018)。 (4)テロメアRNAとタンパク質相互作用の解明に成功した (JACS. 139, 7533, 2017; Molecules 23, 237, 2018)。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト細胞で四重鎖構造光反応評価を行う。クリック反応を使って細胞内においてテロメアRNAとDNAにより形成するハイブリット型四重鎖構造の可視化を目指す。 細胞内のRNA/DNAハイブリッド四重鎖構造を可視化するために、蛍光スイッチング分子クマリンを用いる。(1)アジドを含むクマリン誘導体を合成し、テロメアDNAの末端にアジド基を持つクマリンを修飾する。(2)in vitroにおいて、クマリンアジドを含むテロメアDNAとアルキンを含むテロメアRNAによるクリック反応を用いて蛍光性分子の生成を確認する。(3)二つの分子を細胞に導入して細胞内でクリック反応を行う。反応前に両者とも無蛍光であるが、クリック反応を経て蛍光性分子を生成することによって蛍光を発する。もし細胞内から発行が観察できれば、それは細胞内でRNA/DNAハイブリッド四重鎖を形成していることを示唆している。 生細胞中のクリック反応が試験管の中での反応と違って効率的なクリック反応が要求される。蛍光が観察されない場合には、生細胞中で効率的なクリック反応を進行させるために、ジフルオロシクロオクチンを用いる。電子吸引性の2つのフルオロ基によって活性化され、銅触媒を加えなくてもクリック反応が進行する。
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