2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the chemistry of water pollution by aryl halides originated from personal care products and their risk reduction
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17H03094
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
寺崎 正紀 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10363904)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臭素化パラベン / 固相抽出 / LC-MS / 環境分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、臭素化パラベンの分析法の確立と実河川試料の環境分析に取り組んだ。初めに添加回収実験として蒸留水0.5Lに1μgのサロゲート(重水素化プロピルパラベン)および20ngの標準物質(15種)を添加して、酢酸によりpH≒4とし、予めコンディショニングした逆相固相カラムに毎分2mLの割合で通水後、窒素気流下乾燥させて、ヘキサン、酢酸エチル、メタノールの順に固相カラムから溶出させた。メタノール画分にジメチルスルホキシドを加えて減圧濃縮後、500μLにメスアップして、逆相カラムを接続した液体クロマトグラフ-質量分析計および液体クロマトグラフ-蛍光検出器に供した。本手法による標準物質の回収率は65%~122%、標準偏差は26%以内、定量下限値は3.5ng/L~45ng/Lとなり環境分析法として適用可能と判断した。 次に確立した分析法に基づき北上川の10地点で各季節(5,8,11,2月)ごとの濃度を計測したところ、中央値とそれらの総濃度はそれぞれ26ng/Lと290ng/Lとなった。臭素数ごとの比較では、二臭素化体が非臭素化体(元のパラベン)よりも高濃度に分布していた。二臭素化体については秋季サンプルが春季サンプルよりも有意に高濃度であることが判明した。二臭素化ベンジルパラベンは、期間中ほぼすべての地点から、二臭素化メチルパラベンと二臭素化ブチルも半数以上の地点から検出され、それらの濃度は25~34 ng/Lの範囲であった。一臭素化体はおもに一臭素化ベンジルパラベンで占められていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ターゲット物質の計測法を完成して、実試料の分析に取り組むことができたため。また、汚染レベルや季節変動の情報が得られたから。
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Strategy for Future Research Activity |
パラベンの臭素化に伴う、AhR活性の変化および河川水から検出された活性値に対する寄与を明らかにするとともに、水環境への影響を与えるリスク因子をリストアップする予定である。
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