2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規な階層的な多孔構造を有する複合材料の創製と応用
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17H03114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宇山 浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70203594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 隆彬 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50548378)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バクテリアセルロース / モノリス / ポリアクリロニトリル / 相分離 / 複合材料 / 電気二重層キャパシタ / 炭素材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新規な階層的な多孔構造を有する複合材料の創製・構造制御および機能化を目的とする。積層構造を有するバクテリアセルロース(BC)に着目し、BC存在下にポリマー溶液の粘弾性相分離を行うことで、マクロにはBCの積層構造(2D構造)、ミクロにはBC由来のセルロースナノファイバー(CNF)と相分離により得られる高分子多孔質体(モノリス)骨格からなる3D/3D構造を有する複合材料の合成を目指す。ポリアクリロニトリル多孔体(PANモノリス)の炭化と賦活により得られる炭素モノリスは比表面積が大きく、電気二重層キャパシタ(EDLC)用電極材料として高い潜在性を有すると考えられるが、その性能は不十分であった。そこで今年度はBCゲルとPANモノリスとの複合体を前駆体とした新規炭素材料の作製を試みた。BCゲルとPANモノリスのユニークな特徴を融合した階層構造を有する炭素材料(BC-PAN AC)の作製とEDLC用電極への応用を検討し、BC-PAN ACの構造が電極材としての特性に与える影響を調査した。SEM像より、BC-PANはBCのネットワーク構造とPANの共連続多孔構造が絡み合った構造と、BC由来の積層構造からなる階層的な三次元構造を有していることがわかった。また、BC-PAN中においてPANはPAN単独での相分離時よりも微細化しており、BCゲルがPANの相分離に影響を及ぼすことが示唆された。さらに、賦活後もこのユニークな構造を維持していた。窒素吸着等温線から、BC-PAN ACは賦活によりミクロ孔が導入され、同様の条件で得られたPAN ACと大きく変わらない値であった。EDLC特性をCVにより評価したところ、BC-PAN ACはPAN-ACと比べて、高走査速度時においてもボルタモグラムの形状が理想形である長方形型を維持しており、面積も大きいことから高速応答性に優れていた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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