2019 Fiscal Year Annual Research Report
次世代Li二次電池用Si系負極活物質の創製と電極-イオン液体電解質界面の最適化
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17H03128
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00202086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道見 康弘 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (50576717)
薄井 洋行 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (60423240)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リチウム二次電池 / 負極 / ケイ素 / イオン液体 / コンポジット化 / ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
Siは現行のリチウム二次電池 (LIB)に用いられている黒鉛負極の10倍もの高い理論容量を有するため魅力的な活物質である.しかしながら,Siは硬くて脆いことと充放電反応にともなう大きな体積変化が相まって電極崩壊を招くためサイクル性能に乏しいという問題を抱えている.これに対し報告者はこれまでにケイ化物 (シリサイド)をSiとコンポジット化させることによりSi単独電極よりも優れたLIB負極特性が得られることを明らかにしてきた.また,シリサイドには①応力緩和に適した機械的特性,②高い電子伝導性,③適度なLi+拡散能,④高い熱力学的安定性の4つの性質が具備されていることが重要であることも報告してきた.しかしながら,これらの性質をバランスよく備えた二元系シリサイドはこれまでに見出されていない.報告者はシリサイドの金属の一部を別の元素に置き換え多元化することにより4つのバランスを微調整できると着想した.実際にCr0.5V0.5Si2/Si電極のサイクル寿命はCrSi2/SiおよびVSi2/Si電極と比較して約2倍向上した. 多元化による4つの性質の変化を調べたところ,①および②の変化は無かったのに対し④はV置換により改善されることがわかった.またCr (原子半径:0.128 nm)がV (0.134 nm)に置換されることにより結晶格子が大きくなり③の性質も改善されることがわかった.他方,第一原理計算の結果からVSi2中よりもCrSi2中の方がLiと構成金属との静電反発が小さいことも明らかとなった.したがって,VSi2由来の大きな結晶格子およびCrSi2由来の小さな静電反発に起因してシリサイド中のLi+拡散がスムーズになったと考えられる.その結果,この相を介してのSi相へのLi移動が容易になりSi相へLiが均質に吸蔵され活物質内の応力の発生が均質化されたと推察される.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(33 results)