2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of impact deformation / fracture mechanism of ice and development of multi-scale ice-breaking technology
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17H03152
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 永久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (60262408)
小林 秀敏 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10205479)
谷垣 健一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40631875)
松沢 孝俊 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (00443242)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 氷 / 打撃 / 高速度ビデオカメラ / 亀裂進展 / 低温保持 / 衝撃 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,衝撃変形試験として代表的なスプリット・ホプキンソン棒(SHB)法と低温保持チャンバーを組み合わせた高精度低温衝撃試験装置を開発し,衝撃試験と同時に組織観察を応用することで,ミクロおよびマクロの両観点(マルチスケール)から氷の衝撃変形・破壊メカニズムの解明を行うことを目的とする。 初年度(平成29年度)は,まず低温保持チャンバーのコンセプト作りを行った。SHB法における入出力棒をチャンバーの接続部において,低摩擦材料,低温用グリースの2種類を試す構造とした。このコンセプトに基づき平成30年度に実際の低温保持チャンバーを作製する。 同時に,理想的な完全密閉型チャンバーに関して,有限要素解析による応力波伝播を調査した。密閉構造において,SHB法の原理を過度に逸脱せず複雑な応力波になりにくい条件を見出した。今後,実験的に検討が必要である。 また,氷の破壊試験として,平板による打撃試験を行った。打撃試験装置は,打撃部,試験片を固定する試験片固定部,打撃部を支えるベアリング部,打撃のエネルギーとなるスプリング部から構成されている。打撃試験は氷の破壊の様子をハイスピードカメラで撮影した。観察された内部亀裂から亀裂進展速度を算出すると,約250m/sとなった。よって,氷の内部に非常に速い亀裂進展が生じ,これらのき裂が多数分岐することで,細かな氷片の破壊に繋がった可能性が示唆された。今後,打撃部の回転運動およびひずみゲージの出力より氷の打撃時の変形および破壊応力の測定が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,装置開発を行い,実際に試験を行う予定であったが,研究予算の関係で実際の作製は次年度とした。代わりに氷の打撃試験装置を作製し,内部を伝播する高速亀裂の測定の可能性を見出した。,また,将来に繋がる理想的な低温保持チャンバーのコンセプトも予想ができた。よって,総合的に見ると,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,実際に低温保持チャンバーを作製し,氷の衝撃変形および破壊特性の評価を行う。その際に,マクロな視点からシュリーレン法による氷内部の応力波伝播の可視化と,ミクロな視点からズームレンズを使って亀裂進展の詳細な計測に挑戦する。また,平成29年度に引き続き,打撃試験による氷の簡便な破壊条件の模索と,理想的な低温保持チャンバー開発に向けた解析および実験を行う。
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Research Products
(4 results)